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新型肺炎のデマに注意 WHO、正しい10の情報を公開

2/6(木) 12:39配信

朝日新聞デジタル

 パンデミックならぬ「インフォデミック」に気をつけて――。新型肺炎を巡り、世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)がそんな注意喚起をしている。インフォデミックとは、デマや誤った情報が急激に拡散する状況。公式サイトで具体的な事例を挙げ、説明している。

【写真】抗生物質は新型コロナウイルスには効きません(WHOのウェブサイトから)

 説明は、中国からの手紙や小包を受け取っても安全▽うがい薬を使ったうがいでは感染を防げない▽生理食塩水で鼻の中を洗う「鼻うがい」も感染を防げない▽抗生物質は予防や治療に効果がない▽ニンニクを食べても感染を予防できない、など10項目。

 WHOの感染症対策の専門家シルビー・ブリアン氏によると、黄熱病が流行した際には「ワクチン接種をすると1週間ビールが飲めない」とのうわさが流れ、接種をする人が減ったという。ブリアン氏は記者会見で「(インフォデミックが)効果的な対策の実行を妨げる」と述べ、新型肺炎にも冷静に対応するよう強調した。

 また、WHOのテドロス・アダノム事務局長は4日、渡航・貿易の制限について「(感染症への対応を定めた)国際保健規則に合致しない形での制限をしないでほしい」と述べた。この時点で22カ国が航空便の期間運休やビザの発給制限などを実施しているとし、こうした措置は「公衆衛生上の効果は少ししかない一方、恐怖や不当なレッテル貼りを増幅させる」と懸念を示した。

 新型肺炎を巡っては、カナダで公立校の保護者らが中国から帰国した児童・生徒の隔離を求めたり、ローマの音楽院が「(日本人を含む)東洋人の学生に対するレッスンを中止する」と発表したりする動きが起きている。

 説明を掲載したWHOのサイト(英文)は、https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/advice-for-public/myth-busters。骨子は以下の通り。(神田大介、植松佳香、松井望美、ジュネーブ=吉武祐)


 Q:中国からの手紙や小包を受け取るのは安全でしょうか?

 A:安全です。中国からの荷物を受け取った人が感染する恐れはありません。手紙や小包のような物体の上で、新型コロナウイルスは長時間生き残らないことがわかっています。

 Q:家のペットは新型コロナウイルスを拡散しますか?

 A:現段階で、犬や猫などのペットがウイルスに感染する証拠はありません。ですが、ペットと接触した後は、水とせっけんで手を洗うとよいでしょう。手洗いは大腸菌やサルモネラ菌など、様々な細菌の伝染を防ぎます。

 Q:肺炎用のワクチンは、新型コロナウイルスに効きますか?

 A:いいえ。肺炎球菌やヒブなどのワクチンは効果がありません。新型コロナウイルスは非常に新しくこれまでと異なるため、専用のワクチンが必要で、研究者が開発中です。

 Q:生理食塩水で定期的に鼻をすすぐことは、感染を防ぐのに役立ちますか?

 A:いいえ。感染を防いだ証拠はありません。

 Q:うがい薬でうがいをすることで、感染を防げますか?

 A:いいえ。うがい薬を使うことが、新型コロナウイルスへの感染を防ぐという証拠はありません。うがい薬の中には、口の中の唾液(だえき)中の特定の病原菌を数分間除去できるものがありますが、感染を防げるという意味ではありません。

 Q:ニンニクを食べることは、感染を防ぐのに役立ちますか?

 A:ニンニクは抗菌の特性を持つ健康的な食べ物ですが、新型コロナウイルスを防ぐという証拠はありません。

 Q:ごま油を塗ると、新型コロナウイルスが体内に入るのを防げますか?

 A:いいえ。ごま油は新型コロナウイルスを殺しません。体の表面に付着したウイルスを殺すことができる漂白剤や75%エタノールなどの化学消毒剤はいくつかあります。ですが、皮膚や鼻の下に消毒剤を塗っても、ウイルスへの効き目はありません。むしろ、肌に化学物質を塗るのは危険です。

 Q:新型コロナウイルスは、高齢者と若者、どちらに影響を及ぼしますか?

 A:すべての年齢の人に感染の可能性があります。高齢者や、ぜんそく、糖尿病、心臓病などの持病のある人は、より重症化しやすいようです。

 Q:抗生物質は、新型コロナウイルスの予防や治療に効果がありますか?

 A:いいえ。抗生物質は細菌に対して作用し、ウイルスに作用しません。新型コロナウイルスの予防や治療のために、抗生物質が使われるべきではありません。

 Q:新型コロナウイルスを予防、治療する特定の薬はありますか?

 A:まだありません。いくつかの治療法が調査中で、臨床試験を通じてテストが行われます。WHOは、研究開発の加速を支援しています。

朝日新聞社

最終更新:2/17(月) 17:00
朝日新聞デジタル

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