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広がる新型コロナウイルスからわが身を守るには

2/6(木) 11:40配信

Medical Note

中国の湖北省武漢市から広がった新型コロナウイルスは、日本国内でもヒトからヒトへの感染が確認され、流行の恐れを感じている人も多いのではないでしょうか。たとえ「新型」であっても、ウイルスの性質などから、予防する方法はある程度分かります。正しい方法を守れば、感染のリスクは下げられます。【国際医療福祉大学病院救急医療部長・志賀隆/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇最善の予防策は「手洗い」

感染予防に最も有効な方法は手洗いです。

ウイルスは一般的に粘膜から体に侵入します。手が触れやすい顔には目・鼻・口に粘膜があり、触る前に手からウイルスを洗い流しておくことが、感染予防に1番大切です。

職場や学校に着いた、自宅に着いた、トイレに行った後、食事や水分を取る前、共用の食器(ビュッフェのトングやスプーンなど)や共用スペースのドアノブ・手すり・ひじ掛けなどに触ったら――1にも2にも、粘膜に触れる前の手洗いが有効です。

正しい方法で手洗いをしなければ、確実にウイルスを洗い流すことができません。コツは「お誕生日の歌(♪ハッピー・バースデー・トゥー・ユー)を2回」です。

まず、水で手を濡らしせっけんを泡立てたら、手のひら、手の甲、手首、指先、指の間、親指の付け根をしっかり擦ります。最低20秒は洗ってください。わざわざ計らなくても、お誕生日の歌を2回歌うと、およそ20秒になります。また、せっけんは「抗菌」「薬用」である必要はありません。

◇アルコール消毒も有効

せっけんで手を洗えない場合は、手指の消毒も有効です。ノロウイルスのようにアルコールで消毒できないものとは異なり、新型コロナウイルスは基本的にアルコール消毒で大丈夫です。コロナウイルスはエンベロープという2重の膜でできた“殻”に包まれた「エンベロープウイルス」だからです。エンベロープウイルスの膜は油に溶けやすい「脂溶性」で、アルコールによって破壊されます。

◇マスクは必要?

新型コロナウイルスに限らず、マスクで感染症は防げるのかという議論があります。マスクをすることが理論上肯定される状況は(1)感染している人が症状(せきやくしゃみ)によって、周囲の人々に病原体を拡散させないようにする(2)医療従事者が患者(診察など濃厚接触するため)からの感染を防ぐ――場合の2点です。

では、症状のない人が公共の場で、不特定の、症状がある「かもしれない」方々から拡散するおそれもある気道感染症を防ぐためにマスクを常時着用することは意味があるのでしょうか。これに関しては、「強いエビデンス(科学的根拠)はない」が現段階での結論です。しかし「感染している人がマスクをしない場合には周りの人がマスクをする」必要が出てくるかもしれません。職場や公共機関で周りの人が必ずしもせきやくしゃみのエチケットをしてくれない場合には、やはりしぶきから感染してしまう可能性は理論上でてきます。ですから、「感染していて、マスクをしていない人がいるかもしれない」という視点からは、マスク使用の意義はあると判断する人はいるでしょう。

いずれにせよ、特にこういう時期は必要な人に行き渡らないといった事態になることがあります。マスクはどういう時に使用すべきかを考え、買い占めなどは控え、必要に応じて使うという考えが必要です。

では、感染予防にはどんなマスクが必要でしょうか。結核治療の際などに使用する密封性の高いN95と呼ばれるタイプのマスクが必要であると考える人たちもいます。しかし、過去の研究ではN95でインフルエンザの感染予防を試みた場合と、ドラッグストアなどでも市販されている密封性の比較的低い「サージカルマスク」で試みた場合で、その後の感染の差はなかったという結果になっています。したがって、通常のマスクでの対応が可能と考えてよいと思います。

もしマスクを使う時には、適正使用が必要です。マスクと顔の間にすき間ができないようにフィットさせ、鼻と口をしっかりカバーするように正しくかけてください。また、マスクは再利用せず、使ったら捨ててください。それでも、マスクは万能ではありません。マスクを触ったら目・鼻・口などの粘膜に触れる前には必ず手を洗ってください。

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最終更新:2/6(木) 12:36
Medical Note

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