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検事総長に求められるものは? 「厳正公平」「国民の支持」「恥を知る心」「巨悪摘発」

2/7(金) 7:02配信

47NEWS

 検察の汚職捜査によって、大正時代の第1次山本権兵衛内閣(シーメンス事件)、昭和の斎藤実内閣(帝人事件)と芦田均内閣(昭電疑獄)、平成の竹下登内閣(リクルート事件)が総辞職に追い込まれたのを見ても明らかなように、政権と検察は本来緊張関係にある。過去の政権は検察の捜査を批判しても、人事への口出しは慎み、検察の独立性を尊重してきた。ところが、安倍政権は検察の意向に反し、高く評価する黒川弘務東京高検検事長が定年後も勤務を延長できるよう閣議決定し、今夏には検察トップの検事総長に据えようと図っているようだ。ただ政治主導の人事であっても、検事総長に求められるものは変わらない。歴代検事総長の発言などから、求められるものを整理してみたい。(共同通信編集委員=竹田昌弘) 

■「権勢に屈せず、大衆におもねらず」

 東京地検特捜部が1976年、田中角栄元首相(93年死去)や橋本登美三郎元自民党幹事長(90年死去)らを逮捕、起訴したロッキード事件。検事総長として捜査を指揮した布施健氏(88年死去)は77年3月の退任に先立ち、全国の検事長と地検検事正を集めた会議で「今後、情勢がいかに変化しようと、いずれにも偏らず、法にのっとり、組織を挙げて非違(法にたがうこと)の摘除(悪い部分を摘出して取り除くこと)に当たる検察精神と姿勢は不変と確信する」と最後の訓示を結んだ(以下、検事総長の発言などは元共同通信記者の渡辺文幸氏著「検事総長ー政治と検察のあいだで」と共同通信の配信記事による)。  

 退任の記者会見では、ロッキード事件について「配慮したのは、政治的にも騒がれたし、国民が関心をもってみているから、厳正公平な態度で臨まなければならないという点。国民の支持があったからあれだけのことができたと思う」と述べた。検察組織を率いる検事総長には、まず「厳正公平」と「国民の支持」が欠かせないとみられる。

 ロッキード事件の公判で81年10月、田中元首相の秘書だった男性の元妻が検察側証人となり「夫は(元首相への賄賂の)5億円の授受を認めていた」と証言し「ハチの一差し」と話題になった。当時の奥野誠亮法相(2016年死去)が記者会見で「検察は人の道に外れないよう留意することが大切だし、人倫をわきまえながらやってほしい」と発言。元妻を証人申請した検察を批判したと受け取られた。これに対し、検事総長の安原美穂氏(1997年死去)は「検察としては、常に社会に支持され、人倫の道に反しないよう心掛けている」と反論した。

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最終更新:2/9(日) 12:49
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