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朝起きた途端にすべてが見えて…モト冬樹さん語る白内障手術

2/10(月) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【愉快な“病人”たち】

モト冬樹さん(ギタリスト・俳優/68歳)= 白内障

 ◇  ◇  ◇

「名医のTHE太鼓判!」(TBS系)という番組で目の検査を受けたら、医師から「白内障、きてるよ」と言われたんです。でもかすむとかぼやけるといった自覚症状はまったくないし、手術なんて怖いから、する気は全然なかったんです。

 ただ、近視も老眼も乱視もカバーしてくれる「多焦点レンズ」なるものにとても魅力を感じたことと、担当医の深作先生に全幅の信頼を持てたので、思い切って手術しました。それが2018年1月です。

 思い起こせば、日本でコンタクトレンズが発売された当初から、ずっと使い続けてきました。約50年にもなるでしょうか。視力がとても悪く、もうコンタクトで調整できるギリギリ。冗談抜きでもう少しで障害者手帳がもらえるレベルにまで達していました。

 白内障では手術する気はなかったけれど、裸眼で生活できるようになることは、僕にとってとても魅力でした。

 しかも、一度入れたら半永久的に入れっ放しにできるそうです。白内障でいずれ濁り出して手術をすることになるなら、この機会にこの先生にお願いしようと思ったのです。

 お世話になったのは「深作眼科」の六本木院です。深作院長の手術数の多さは半端なく、日本の眼科医療の発展に尽力し続けている先生で、お話を聞けば聞くほど説得力がありました。

 ただひとつ問題だったのは手術費用です。多焦点レンズの手術は先進医療なので保険が利きません。片目90万円、両目で180万円もの高額医療です。さすがに番組も手術費までは払ってくれません。迷いに迷って妻に相談したら、何と妻が僕の保険に先進医療保険を付けてくれていたんです。手術内容や医療機関によって違うそうですが、僕の場合はその保険で全額カバーできるとのことだったので、「よし、じゃあやろう」と拍車が掛かりました。

 手術は、水晶体を吸い出して多焦点レンズを入れるという、時間にして片目15~20分程度のもの。日帰りで片方やったら普通は数日空けてもう片方をやるのですが、僕の場合は2日連続でした。

 体の手術なら何をされても自分には見えないですけど、目は開いていなくちゃいけないから手術の様子が全部見えるわけです。考えただけで恐怖ですよね。でも、実際には目に水が流れていることしかわかりませんでした。それに少しだけ麻酔を入れてくれたので、眠りはしないけれどボーッとして恐怖感はありません。あれはありがたかったな。

 ただ、術後のケアは大変でした。絶対ダメなのは目を触ることなんです。寝ている間に無意識に触らないように、寝る時は硬めのガードを貼り付けましたし、1カ月間はお風呂もダメ、洗顔、洗髪もダメでした。

 だけど、朝、起きた途端にすべてが見えるのはすごいことです。今はもう慣れちゃいましたけど、初めはビックリして感激でした。便利だなと思ったのは、新聞みたいな小さな文字がいつでも読めることです。それまでコンタクトは遠くが見えるように調整してあるから、近くを見るには老眼鏡が必要でした。今はもうレストランのメニューや役所の書類などが裸眼で読める。手術をしてよかったと思う瞬間ですよね。それに車を運転中に目に風を感じた時、めちゃくちゃ裸眼であることを実感しました。

 逆にがっかりしたのは、お風呂場の汚れです。今まではコンタクトを外して入っていたので何も気にならなかったんですけど、しっかり見えちゃう(笑い)。

 実は網膜も剥がれかかっていて、今はレーザーで焼いて留めてもらっているんですけど、深作先生には「いつか手術しよう」と言われています。そっちは2~3日入院が必要なようで、まだ決めていませんが、いつかやらなくちゃいけないとは思っています。

 病気になって学んだことは「60歳すぎたら絶対に病院に行くべき。自己判断はダメ」ということです。

 一人暮らしの時は、寝るのが一番だと信じていました。実際、多少具合が悪くても寝ることで治ってたんです。でも60歳を越えたら話は違う。深作先生に「目にも寿命がある」と言われ、どんなに元気でもパーツは劣化すると悟りました。メンテナンスは絶対に必要なんです。

 50~60歳になったら、一度は眼科で検査した方がいいですよ。

 僕らはまだいいですが、今の子供たちはなおのことです。深作先生の受け売りになりますが、LEDやブルーライトを近くで見るのは目に相当悪いようです。

 パソコンやスマホを朝から晩まで近距離で見ている今の子供が大人になる頃には、白内障や加齢黄斑変性など目の病はもっと低年齢化しているかもしれません。

 僕が今、目の健康のために実践しているのは、紫外線カットとブルーライトカット。黒いサングラスは瞳孔が広がってしまうので、紫外線カットするなら色の薄いグラスを選ぶといいそうです。あと、目を強くこすったり、揉んだり、押したりするのもよくないそうですから、皆さんもご注意ください。

 (聞き手=松永詠美子)

▽もと・ふゆき 1951年、東京都生まれ。中学時代にギターを始め、同級生(グッチ裕三)や実兄(エド山口)とともにバンドを組み、銀座や六本木のクラブで演奏を始める。77年、バンド「ビジーフォー」を結成し、コミックソングやものまねで人気を博す。83年にバンドは解散したが、俳優・タレントとしてドラマや映画、バラエティーで活躍し続けている。2010年、59歳で結婚。おしどり夫婦として知られる。タクフェス「仏の顔も笑うまで」東京公演が4月22日からスタート。

最終更新:2/10(月) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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