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トヨタが20年ぶりに本格スポーツカー「GRヤリス」を発表

2/10(月) 14:50配信

ニュースソクラ

受注は好調、クルマ好きの「台風の目」に

 トヨタ自動車が世界ラリー選手権(WRC)参戦の技術と経験を生かした4WD(4輪駆動)のスポーツカー「GRヤリス」を発表し、2020年1月10日から6月30日まで、期間限定で受注を始めた。

 GRヤリスは、WRC参戦のベース車両となるクルマで、排気量は現在のWRCの主流である1.6リッターとなる。直列3気筒のターボエンジンは最高出力200kW(272ps)、最大トルク370N・m(37.7kgf・m)の高性能を誇る。

 このクルマが本格的なのは、モータースポーツ参戦をにらみ、全長3995ミリ、全幅1805ミリ、車両重量1280キロと、コンパクトで軽いボディーを与えていることだ。ノーマルのヤリスが4ドアなのに対して、GRヤリスは2ドアとなり、ワイドトレッドかつホイールベースが短い専用設計となる。このサイズと軽さに、これだけの高出力エンジンなら、経験的に高い運動性能が期待できる。

 クルマの運動性能を測る目安となるパワーウエイトレシオ(車両重量を最高出力で割った値)は、1馬力当たり4.706キロ。車格は違うものの、ライバルとなる「SUBARU(スバル)WRX-STI」(ファイナルエディション)の最高出力は227kW(308ps)、最大トルクは422N・m(43.0kgf・m)。車両重量は1500キロなので、パワーウエイトレシオは同4.87キロとなり、わずかにGRヤリスが上回る。

 トヨタは1月10日、千葉市の幕張メッセで開かれた「東京オートサロン」(1月10~12日)でGRヤリスを世界で初公開した。トヨタの友山茂樹副社長がトークショーで「GRヤリスはライバルより200キロも軽い」と発言したのは、もちろんスバルWRXを意識してのことだろう。

 友山副社長は「我々はモータースポーツで鍛えられたノウハウと人材で、世界に通用する市販スポーツカーを世に出すと宣言してきた」と、これまでの経緯を説明。「このクルマのコンセプトは明快だ。一言で言うなら、『ラリー王国トヨタ』を不動のものとするウェポン(武器)だ」と力を込めた。

 トヨタは2017年からヤリス(日本名・ヴィッツ)をベースとした競技車でWRCに復帰した。2018年にメーカー部門、2019年にドライバー部門で総合優勝するなど、ヒュンダイ、フォード、シトロエンといった海外の名門を相手に成果を挙げている。

 かつてトヨタは1988年にセリカGT-FourでWRCに参戦。1999年に撤退するまで、スバルインプレッサWRX、三菱ランサーエボリューションなどとトップ争いを演じ、日本車の黄金時代を築いた。しかし、その後はWRCから遠ざかり、セリカGT-Fourのように、クルマ好きを納得させるスポーツカーが手薄になっていた。

 トヨタによると、GRヤリスの開発は2016年秋、モリゾウこと豊田章男社長の指示で始まった。「WRCで通用する市販4WDスポーツ」というのが、開発陣に与えられた命題だったという。

 ところが、セリカGT-Four以来のブランクは大きかった。20年ぶりに4WDスポーツを開発するには「もはやトヨタにノウハウも経験した技術者もなく、手探りの出発となった」(友山副社長)という。

 友山副社長は「最初の試作車は曲がらない。曲がらないと思ったら、いきなりスピンする。これはたいへんなことを始めてしまったと思った」と、開発秘話を披露した。「どうすれば意のままに操れるスポーツ4WDができるのか。エンジニアからテストドライバー、プロドライバーが一緒になって、試行錯誤しながら仕上げた」という。

 友山副社長は「GRヤリスは従来のトヨタ車では考えられない、スーパーホットハッチとなった」と胸を張った。GRヤリスの受注は「(初日の10日だけで)既に数百台」という。納車は2020年夏以降というが、このクルマがクルマ好きの間で2020年最大の「台風の目」となるのは間違いない。

最終更新:2/10(月) 14:50
ニュースソクラ

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