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クリスマスローズ守る そのアイテムは伝統の「丹波焼」 無数の気泡、鉢自体が”呼吸”/兵庫・丹波篠山市

2/10(月) 9:40配信

丹波新聞

 兵庫県丹波篠山市にあり、日本六古窯の一つ「丹波焼」の産地、同市今田町で植木鉢を専門に作陶している「市野伝市窯」の市野伝市さん(88)と達也さん(57)が作る「籾殻鉢」が、クリスマスローズの根を守るとして人気を博している。籾殻入りの土で作る「籾殻鉢」。焼成時に籾殻が燃えることで無数の通気孔ができ、鉢自体が“呼吸”する。鉢の厚みも約1・3センチと通常より厚く、夏は涼しく、冬は鉢土が凍ることなく、根を守るという。園芸関係の雑誌や通販をきっかけに注目を集めている。

 達也さんによると、丹波焼窯元では120年ほど前から菊鉢や朝顔鉢を作り始めたが、大正後期―昭和初期の「民藝ブーム」で、食器を作れば飛ぶように売れたことから作り手が減った。それでも伝市さんは植木鉢を作り続け、嵯峨菊の鉢を毎年200鉢作り、うち半分は宮内庁に献上。東京あさがお会にも提供している。

 56年前、植木鉢を作り続けていた伝市さんが、東京山草会の会長から山野草のための植木鉢を作ってほしいと依頼を受け、「新たな挑戦ができる」と取り組んだ。砂を入れた粘土を使い、鉢底穴が大きく、底の高台が高い「伝市鉢」は、「山野草が良く育つ」と愛好家の間で評判になった。

 20年ほど前には野生ランの「アツモリソウ」の鉢を作ってほしいと依頼があり、生まれたのが「籾殻鉢」。底穴に向かってカーブを作り、スムーズな排水を促す工夫もした。

 10年ほど前の雑誌で、クリスマスローズ愛好家がこの鉢に植え替えると復活するという記事を掲載すると、籾殻鉢が注目されるようになった。4年前から「NHK趣味の園芸」の通販として販売され、昨年8月号に「伝市鉢」、今年2月号に「籾殻鉢」が特集された。さらに、一昨年には、ブランドセレクトショップ「ネイバーフッド」とコラボした植木鉢を作り、幅を広げている。

 4月から次男の弘通さん(25)が帰郷し、伝市窯に加わる。達也さんは「しっかりと技術を伝えていきたい。今の生活様式に合った植木鉢を提案し、バリエーションを増やしていきたい」と話している。

最終更新:2/10(月) 9:40
丹波新聞

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