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ソウル大客員教授を務めた米国の歴史学者「差別的な寮政策の再考を」

2/10(月) 17:34配信

ハンギョレ新聞

昨年、大学寮に同性パートナーと居住を申請したが差し戻し 米国法に則った同性婚なら可能か聞いても「黙殺」 大学人権センター、多様性委員会も「知らん振り」で一貫

 「韓国最高の名門校としてグローバル大学を目指していると言いながら、どうしてこのように時代の流れに逆行できるのか理解できません」。

 昨年1年間、ソウル大学奎章閣韓国学研究院で客員教授を務めた米カリフォルニア大学サンディエゴ校歴史学科のトッド・A.ヘンリー准教授(49)は、もどかしさを隠さなかった。彼は2019年、1学期の講義を控え、外国人教授や研究員のための寮であるBK生活館家族棟への入居を申請した。性的マイノリティであるヘンリー教授は、2年6カ月間生活を共にしてきたパートナーと居住することを希望したが、大学当局は「家族棟に居住できるのは既婚者のみ」との運営細則を掲げて差し戻してきた。ヘンリー教授は本国で結婚したら寮への申請が可能かどうか尋ねたが、ソウル大の寮側は「同性婚は論議してみなければならない」とだけ答え、それ以降音沙汰なし。これに対しヘンリー教授は別の居所を用意してパートナーと共に滞在し、1月1日に米国に帰国した。ヘンリー教授が住むカリフォルニア州は2013年に同性婚禁止法が撤廃されており、米国全域でも米国連邦最高裁が2015年に同性婚禁止に違憲判決を下したことで、同性婚が合法化されている。

 ソウル大学の寮政策が性的マイノリティ差別に当たると判断したヘンリー教授は昨年3月、同大の多様性委員会と人権センターにこの問題について質問したが、無駄だった。5月にはソウル大学の学内新聞『大学新聞』に「家族生活棟、家族を再考しよう」との文章を載せ「性的マイノリティのカップルにも住宅提供のようなソウル大学の恩恵を受ける資格が保障されなければならない」と問題提起をするが、結局は黙殺されてしまった。そして、「人権センターに相談したところ、『我々は性暴力の被害を中心に扱っている』と言って何の関心も示さず、多様性委員会にも電子メールで問い合わせたが、『当委員会の主な機能は研究と調査』なので、人権センターと連絡を取るようにという返事だけが帰ってきた」と話した。「マイノリティの安全の保障のために設立された機関が、こうした重要な問題にそっぽを向いていることに失望した」と彼は語る。

 2003年にソウル大学国史学科大学院で研究生として過ごしたヘンリー教授は、当時も学内の性的マイノリティの集まりで活発に活動しており、最近では韓国の性的マイノリティの歴史と文化、人権問題を扱った『クィアコリア(Queer Korea)』を米国現地で出版している。

 ソウル大学は依然としてこの問題に対して何の立場も示していない。ソウル大学人権センター長を務める法学専門大学院のイ・サンウォン教授は、先月28日のハンギョレの電話取材に対し「相談した内容とその結果は絶対に外部に漏らせない」と口を閉ざし、BK生活館も28日の電話取材に「ヘンリー教授が提起した問題は知っているが、現在同性婚は韓国で合法化されていないため、同性婚家族の居住問題はさらに議論をしてみなければならない」と答えた。現在、ソウル大でこの問題に関心を示しているのは総学生会傘下の「学生、少数者人権委員会」で、彼らは近く大学寮側に懇談会を提案する予定だ。

 公益法人「希望のつくり方」のリュ・ミンヒ弁護士は「最近、大韓航空が、当該国で認められた同性婚の既婚者に『マイレージ家族合算』制度を適用することにしたことからも分かるように、世界的な流れに合わせてソウル大も責任ある態度を取るべき」と述べた。
イ・ジュヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:2/10(月) 17:34
ハンギョレ新聞

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