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電動水門、遠隔操作で多摩川逆流阻止 浸水被害の川崎市、改良工事へ

2/11(火) 10:30配信

カナロコ by 神奈川新聞

 昨年10月の台風19号の大雨で多摩川の水が排水管を逆流して市街地にあふれ出た浸水被害を受け、川崎市は、逆流現象の確認された市内5カ所の排水管の水門について、改良工事に着手する方針を固めた。2019年度補正予算案と20年度当初予算案に計5億7千万円を計上。現在は手動の開閉操作を電動に切り替えて遠隔操作も可能にすることで、多摩川の水位変化に合わせた迅速で効率的な対応の実現を図る。

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 市下水道計画課によると、電動化に伴い、水門とは離れた場所に操作盤を設置。水門近くに水位計と監視カメラも配備して判断の根拠となるデータを収集し遠隔操作に当たる。現地に設ける操作盤でも開閉作動ができるようにする。

 改良工事は今夏の台風シーズンまでに完了させる予定。現状では市職員が水門のある河川敷に出向いて手動操作していることから、市は「遠隔化により職員の安全確保にもつながる」と効果を説明している。

 市内の地中には雨水用の排水管が埋設され、多摩川との合流部17カ所に水門が設置されている。15カ所は電動化されておらず台風19号ではこのうち山王(中原区)、宮内(同)、諏訪(高津区)、二子(同)、宇奈根(同)の5カ所の排水管で逆流が確認された。

 平時の多摩川の水位は水門より低いが、台風19号では多摩川で史上最高の水位を観測。水門が水没して逆流が起き、排水管をつたって市街地のマンホールからあふれ出たとみられる。深い所では2メートルの冠水が確認され、武蔵小杉周辺では駅の改札口や一部の高層マンション地階も浸水被害にあった。浸水エリアはこの5カ所で計92ヘクタールに及んだ。住民からは、水門を閉じなかった市の判断を疑問視する声も上がっている。

 台風19号の被害を踏まえ、国と県、東京都、多摩川流域の自治体は1月末に緊急治水対策プロジェクトをまとめ、水門の改良に取り組む方針を示した。市は19年度内に水害の検証結果をとりまとめる予定だが、同課は「検証を待っていると台風シーズンに間に合わないため、可能な対策から進めることにした」としている。

 補正予算案には、水門の改良工事のほか、10分間で25メートルプール相当量を揚水できる大型ポンプ車4台の導入費用も計上した。

神奈川新聞社

最終更新:2/11(火) 10:30
カナロコ by 神奈川新聞

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