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『パラサイト』の作品賞受賞はハリウッドに大衝撃!世界に開いたオスカーの扉:第92回アカデミー賞

2/11(火) 8:30配信

シネマトゥデイ

 しかし、それらの人たちも、作品賞を含む4部門での受賞は、さすがに望みが高すぎると考えていた。『パラサイト 半地下の家族』をずっと押してきた賞レース専門家のグレン・ウィップも、オスカー当日のロサンゼルス・タイムズ紙で、「僕の中には、同作は作品賞を取らないだろうと悲観的に見る自分がいる。そして、それは仕方がないと受け止めてもいる」と書いていたのである。文字通り歴史を変えたこの出来事は、そこまでのマグニチュードをもつ大衝撃だったのだ。

 この最後の大逆転のおかげで、演技部門の受賞者が予想通り全員白人になってしまったことへの批判は、まるで聞かれなくなってしまった。実は、それも『パラサイト 半地下の家族』の快挙に関係している可能性はある。先月の全米映画俳優組合賞(SAG)でも個別の賞は全く同じ4人が受賞したが、トリの作品賞にあたるキャスト賞は『パラサイト 半地下の家族』がサプライズ受賞している。SAGは以前からオスカーよりもリベラルで多様性を強調してきており、この団体らしい結果に見えたが、同じことがオスカーでも起こったわけだ。

 この受賞結果は、世界に対してアカデミーの新しい姿を見せつけることになった。この4年間、アカデミーは、白人の高齢者ばかりの団体から、世界中から多様な人々が集まる団体に変わろうと努力をしてきている。そして今年はついに、一見、最もオスカーらしい映画である白人キャストの戦争映画(『1917 命をかけた伝令』)でなく、ダークなユーモアのある韓国のスリラーが勝ち取ることになったのだ。固く閉ざされていた門は、今、開いた。これからは、どんな国の、どんな映画も、オスカーへの夢をもつことが許される。オスカーは今、世界中の人たちにとって、もっと身近で、もっと大切で、もっと気になるものへと変化を遂げたのだ。

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最終更新:2/11(火) 8:34
シネマトゥデイ

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