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【医師に聞く】椎間板ヘルニアって手術しないと治らないの?

2/11(火) 10:00配信

Medical DOC

高齢者に限らず、学生時代の部活動などによっても起こりえる「椎間板ヘルニア」。その激しい痛みは、平常なら背骨の中に収まっている髄核(ずいかく)というゲル状の組織がはみ出し、周囲の神経を圧迫することで生じるようです。このヘルニアは、物理的に切除するしかないのでしょうか? 「洗足整形・形成外科」の伊藤先生に伺いました。

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

【この記事の監修医師】
伊藤 大助先生(洗足整形・形成外科 院長)
信州大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部整形外科学教室医員、稲城市立病院整形外科医長歴任後の2004年、東京都目黒区に「洗足整形・形成外科」開院。医師だけでなく、理学療法士、鍼灸マッサージ師、柔道整復師らがホスピタリティにあふれた治療を提供している。日本整形外科学会専門医、日本医師会認定産業医、日本レーザー医学会認定医、日本抗加齢医学会認定医。日本股関節学会、日本人工関節学会、日本ペインクリニック学会の各会員。

保存療法が主体、手術による切除はレアケース

編集部:
椎間板ヘルニアになったら、手術は避けられないのでしょうか?

伊藤先生:
そんなことはありません。椎間板ヘルニアを手術で治療するケースは、もはや1割以下となってきています。痛み止めの注射やお薬と、リハビリなどの「保存療法」によって、十分に改善が望めます。

編集部:
意外です。手術するイメージを持っていましたが、何かきっかけがあったのでしょうか?

伊藤先生:
10年以上前になりますが、同じ椎間板ヘルニアの患者さんに対し、手術と保存療法それぞれの予後を比較した論文が発表されました。それによると、双方の結果に顕著な差は認められなかったのです。であれば、わざわざ切開する必要はないだろうと。この発表を契機に、治療の方向性が大きく変わりましたよね。また、別の“興味深い”症例研究もあります。

編集部:
どのような研究なのでしょうか?

伊藤先生:
それは、「巨大なヘルニアほど自然消滅する」という研究報告です。人間の体には「食細胞」がいて、異物などを取りこんでくれます。そして、どうやらこの「食細胞」は、巨大なヘルニアを異物と認識して消化してくれるのです。そのような研究もあり、現在の椎間板ヘルニアの治療方針は、「痛みのコントロールと、保存療法による治癒」に傾きつつあります。

編集部:
あえて手術をするケースとしては、どんな症例が考えられるのですか?

伊藤先生:
症例というより、主に社会的要因ですね。「仕事が忙しくて通院できない」「スポーツ選手なので、すぐに痛みを取り除きたい」「仕事を休めない」などです。ただし、手術を用いたとしても、2割くらいの患者さんは痛みが残ります。その場合、保存療法へ切り替える必要があるでしょう。

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最終更新:2/11(火) 10:00
Medical DOC

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