今回は、バレンタインデーを間近に控え、活況を呈するチョコレート商戦をリポート。人生の再起をかける人々を追う。
18回目を迎えたチョコレートの祭典 「サロン・デュ ・ショコラ」の会場を訪れると、普段日本では買えないチョコレートを求める女性客で黒山の人だかり。カカオに含まれるポリフェノールなどの健康効果が注目され、中高年の間でも人気が高まるなど、今まさに空前の高級チョコレートブーム。そんな中、チョコレートで再起を狙う親子がいた。
福岡県飯塚市に店を構える「カカオ研究所」は、カカオ豆から板チョコレートになるまで一貫して製造を行う「ビーン・トゥー・バー」の店で、県外からも客が訪れる人気店。わずか2坪の小さな店を切り盛りするのは、母・中野富美子さんと娘・由香理さんの親子。店内は試食用のチョコレートを振舞う富美子さんの笑い声があふれ、悲壮感は微塵も感じられない。しかし笑顔の裏には壮絶な過去があった。
「ここは、以前私が経営していた“さかえ屋“の本店です」。ご主人の中野利美さんが案内してくれた「さかえ屋」は、福岡を中心に 約30店舗を展開する地元では有名な菓子店。利美さんは創業者の長男で、2012年まで社長を務めていた。会社は福岡土産の定番「なんばん往来」のヒットにより、地元有数の菓子メーカーへと成長し、売り上げは90億円に上った。しかしその一方で、借金が40億円まで膨らみ、債務超過に。メインバンクから社長を退くよう迫られた利美さんは、社員を守るため、会社の株を無償で手放し自己破産を決断。自宅も競売にかけられてしまう。
不運は続き、会社を追われた翌年に脳出血で倒れた利美さんは、リハビリに1年を費やす。どん底の家族に立ち直るきっかけをくれたのが、偶然東京で食べたチョコレートだった。「あの時変わったんですよ、気持ちが」。チョコレートの味に魅せられた利美さんは一念発起。約1年後には小さなトレーラーハウスでチョコレートの店をオープンさせる。
「カカオ研究所」の一押しはベトナム産のカカオを使ったチョコレート。ほのかな酸味と花のような香りが特長だという。ベトナムでこだわりのカカオを調達するため、利美さんは1年の大半をベトナムで過ごす。世界的に見ればまだ知名度の低いベトナム産にこだわるのにはある理由があった。実は、利美さんが東京で食べてその味に魅せられた運命のチョコレートが、ベトナムのカカオだった。3年前にベトナム南部のビンフォック省に「カカオ研究所」の実験農園を作り、現地のカカオ農家と一緒に豆の研究を続けているほか、友人から募った資金でベトナムにチョコレート工場を作り、豆からチョコレートにしている。
最終更新:2/11(火) 17:00
テレ東プラス


































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