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【特集】驚異の無罪率…“揺さぶり虐待“裁判の法廷で、「虐待ありき」のSBS捜査に2つの「逆転無罪」が“苦言“

2/11(火) 14:05配信

関西テレビ

無罪続出のSBS裁判…何が問題に?

揺さぶられっ子症候群(通称“SBS”)をめぐる刑事裁判で「逆転無罪」が相次いだ。

今年2月6日、大阪高裁で生後1カ月の長女を揺さぶって虐待したとして一審で有罪判決を受けた母親に「逆転無罪」が言い渡された。

去年10月にも、生後2か月の孫を揺さぶって死亡させたとして一審で実刑判決を受けた祖母に「逆転無罪」が言い渡されている。

さらに、今年2月7日にも、東京地裁立川支部で、生後1カ月の長女を揺さぶって死亡させたとして起訴された父親に「無罪」判決が言い渡された。

2018年3月以降「揺さぶり」を否定する無罪が続出しており、有罪率99%以上とされる日本の刑事裁判で驚異の無罪率となっている。

「揺さぶり虐待」事件は、乳児に目立った外傷がなく、疑われた当事者も虐待兆候が見られないケースがほとんどだ。

乳児の症状から受傷原因を探っていくことになるが、医学的な知見が必要になるので、児童虐待に詳しい医師に意見を聞きに行くことが捜査の中心となっている。

裁判でも、児童虐待に詳しい医師の「SBSの可能性が高い」といった診断が判断の決め手になってきた。

いま問われているのは、この医師の診断に医学的根拠が十分にあるのかどうかだ。

去年10月の高裁判決…「SBS理論による危うさ示している」

注目すべきなのは、「逆転無罪」を言い渡した2つの大阪高裁判決が、虐待を第一に考える「虐待ありき」の捜査・診断に対し、苦言を呈する異例の内容になっているということだ。

去年10月の大阪高裁判決は、検察側医師がSBS診断の根拠としてきた「SBS理論」の適用について、厳しくけん制した。

SBS理論とは、急性硬膜下血腫、網膜出血、脳浮腫の3つの症状があれば、激しい揺さぶりがあった可能性がきわめて高いと診断できるという考え方だ。

村山浩昭裁判長は、「本件は、一面で、SBS理論による事実認定の危うさを示してもおり、SBS理論を単純に適用すると、機械的、画一的な事実認定を招き、結論として事実を誤認するおそれを生じさせかねない」と述べている。

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最終更新:2/11(火) 14:05
関西テレビ

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