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「これ、食べられるのか?」未知の野菜作り、ベテラン農家の挑戦

2/11(火) 10:03配信

西日本新聞

 ゴジラの背中? サザエの殻? サンゴ礁? ぐるぐると、とがりながら幾何学的に隆起するのはつぼみ。インパクト抜群の野菜「カリブロ」は、福岡県久留米市と同市中央卸売市場が10年以上前から特産品化を目指してきた。同県大刀洗町の農家筒井誠治さん(69)は、当初から栽培に携わる第一人者だ。

【写真】インパクト抜群の野菜「カリブロ」

 同町出身の筒井さんは、久留米農芸高(現久留米筑水高)の農業科を卒業後、20歳から家業の農業に就き、ホウレンソウやキュウリ、小松菜などを作ってきた。カリブロは2007年、卸売市場から頼まれ生産を始め、試行錯誤しながらノウハウを探った。「未知の野菜作りに魅力を感じた。初めて実をつけた時に思ったのは『これ、食べられるのか?』。衝撃的だった」と振り返る。

 食感はカリフラワー、味はブロッコリーに近い。だから両方の名前をもらってカリブロ。「ブロッコリーのような感じで多くの料理に使えるが青臭さがなく、煮崩れもしにくい。“いいとこ取り”の野菜だと思う」と筒井さん。おすすめは塩ゆでと天ぷらという。

欧州では「神が人を試すために作った野菜」とも

 実は、カリブロは久留米独自の命名だ。欧州発祥のアブラナ科の野菜で、一般には「ロマネスコ」。その見た目から、欧州では「神が人を試すために作った野菜」とも呼ばれる。

 卸売市場では取引額が基準価格を下回った場合、差額を補償する仕組みを設けて農家の収入を確保し、生産拡大を目指したが、栽培の難しさなどから苦戦。市場に出荷する農家もかつては20軒を超えていたが、現在は4軒にまで減ってしまった。

 筒井さんは3・4ヘクタールの農地の5分の1でカリブロを作り、例年11月下旬から2月下旬に24トンを出荷する。刈り取り時に葉を残し、つぼみを傷つけないようにするのがこだわり。出荷前に丁寧に葉を取る。「二度手間にはなるが、品質は格段に上がる」。だが今季は、暖冬の影響で収穫能力を上回るスピードで育ち、市場に出荷できない「規格外」のサイズになってしまったカリブロも多かった。

 「一度見たら忘れられない見た目とおいしさが武器。まずは地元での知名度を上げ、多くの人に味わってもらいたい」

 全国にカリブロの名が知れ渡る日を夢見て、ベテラン農家の挑戦は続く。 (萱島佐和子)

最終更新:2/11(火) 10:03
西日本新聞

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