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【マイルドHVに一本化】フィアット500ハイブリッドに試乗 弱みも許せる個性

2/11(火) 10:20配信

AUTOCAR JAPAN

誕生から13年目の電動化技術採用

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
 
新しく生まれ変わったフィアット500が登場してから10年以上の時が経つ。可愛い姿をまとって登場したのは2007年。本質的には変わらないクルマの試乗記を2020年の今でも書いていることに、少し疑問を持たなくもない。

【写真】チンクHVと欧州コンパクト (129枚)

それでも、フィアット500が古ぼけたクルマだと表現するのは、正しくはないだろう。2015年にはモデル中期としてのフェイスリフトを受けている。エンジンのラインナップもこれまでの13年間を通じて変化してきた。

2020年に取り上げる理由は、フィアット500が電動化技術を搭載したから。内容はあくまでも軽微だけれど。ちなみに、完全なEVとなるフィアット500eの発表も、数週間後のジュネーブ・モーターショーに迫っている。

マイルド・ハイブリッドを搭載したフィアット500は、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)の電動化技術の採用計画の中で先頭に立つモデル。同じくマイルド・ハイブリッド化されたフィアット・パンダと並ぶツートップだ。

電動化技術といっても、内容はとても「マイルド」なもの。EVモードで短時間走れるわけではないが、欧州では500ハイブリッドと呼ばれることになる。

搭載するエンジンは、1.0Lの自然吸気3気筒で、電圧12Vで稼働するベルト統合型スターター・ジェネレーター(BSG)が組み合わされる。リチウムイオン電池の容量は11Ah。これらが組み合わさり、最高出力は70ps、最大トルクは9.3kg-mを発生する。

親しみを持って運転したくなる

内容は他のマイルド・ハイブリッドと同様。減速時にBSGが電気エネルギーとして回収しバッテリーを充電。加速時にはその電気エネルギーがエンジンをアシストする。またバッテリーは、信号でアイドリングストップしている間、補機類へ電気の供給も行う。

一般的に、この内容で得られる燃費向上と二酸化炭素の削減量は限定的。12Vのシステムを採用するフィアット500でもそれは同様だ。古い1.2L 4気筒エンジンと比べて、CO2の削減量は30%程度に留まるという。

試乗したのは、発進と停止に忙しい交通環境のイタリア・トリノ。小型モーターのアシストは、わずかに感じ取れる程度だが、とても歓迎できるものだった。

適度に重み付けされたペダルを踏み込み、軽快なマニュアルを操れば、500マイルド・ハイブリッドで信号からの加速をスムーズにこなすのは簡単。スタートダッシュ以降の伸びは、さほどない。充分な加速を継続するには、エンジンをしっかり回す必要が出てくる。

それはそれで、フィアット500らしくて悪い印象はない。アクセルを踏み込んだときのエンジンノイズも、聞き苦しいわけではない。

フィアット500は以前から高負荷時に若干うるさいといわれてきたが、フォルクスワーゲンUp!も同じくらい外で聞いているぶんには騒がしいと思う。ルックスで選ぼうとした人が、そのノイズを聞いて遠のくほどではないだろう。

乗り心地や操縦性でも、フォルクスワーゲン製のライバルの方が、より丸め込まれ上質さも感じられる。フィアット500は時折細かな振動が侵入してくるが、それでも、親しみを持って運転したいと感じさせるクルマだ。

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最終更新:2/11(火) 10:20
AUTOCAR JAPAN

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