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【三島の共生推進協】森林活用の幅を広げよ(2月12日)

2/12(水) 9:40配信

福島民報

 三島町は地元の森林を活用した町地域循環共生圏推進協議会を一月末に発足させた。官民一体の木質バイオマス発電による再生エネルギーの利用で、持続可能な地域社会を目指す。人口減少、少子高齢化の課題を抱える奥会津の山間地で、最大の資源とも言える森林に焦点を当てた挑戦に注目する。

 町と建設、観光などの民間企業、金融機関、自然エネルギー関係団体などの十四団体が協議会に参加した。アドバイザーとして県会津農林事務所、国立環境研究所福島支部が加わる。地域内で間伐材を燃料チップ化し、木質バイオマス発電のエネルギーを公共施設に供給する。間伐材などの安定供給が森林の健全化につながり、地域資源と経済の循環を生み出す。

 森林活用、資源供給、再エネ利活用の三委員会を設けた。事務局の町は、二〇二〇(令和二)年度に詳細計画を作り、三、四年後には実用化にこぎ着けたいと構想を描く。循環の仕組みを機能させるには、各委員会の課題を解決しなければならないが、いずれも地域の理解と協力なくしては進まない。詳細計画が成功の鍵を握る。

 最も大きな課題は、森林所有者の理解を得て、燃料を切れ目なく提供する体制づくりだ。そもそも、協議会設立に至る経緯には、高齢化による働き手の不足や外材との価格競争で森林が十分に生かせなくなってきた事情がある。町は森林の再生に向け、二〇〇六(平成十八)年度に新エネルギービジョンを策定し、二〇一八年には「木の駅」の事業が始動した。町民が持ち込む木材を薪[まき]ボイラーで燃やし、ものづくりの拠点でもある生活工芸館の冷暖房に役立てている。地道な事業だが、地域に森林資源を守る意識が着実に根付いてきたのが、今回の事業に発展した。

 事業費のかかるチップ化施設や木質バイオマス発電施設は、町が大口の出資をして運営の中心となる見込みだ。中長期的な視点に立つと、森林の健全化やエネルギーの地産地消に加えて、事業全体の収支の均衡を取る必要がある。

 町が二〇一八年に専門業者に委託して実施した採算調査によると、町内の福祉施設などへのエネルギー供給で黒字化は可能との試算が出た。発電による熱源を給湯にも利用すれば、収入を増やせる。小型発電施設を公共施設近くに複数設け、効率を高める検討もしている。森林に恵まれた奥会津の各町村と連携によって、新しいアイデアも出てくる。取り組みが広がるように期待する。(安斎康史)

最終更新:2/12(水) 9:40
福島民報

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