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ハラスメント被害も…就職氷河期、非正規シングルマザーの困窮「どうしようもない」

2/12(水) 9:28配信

西日本新聞

 バブル崩壊を受けた「就職氷河期」に社会に出た非正規雇用のシングルマザーの多くが、生活に苦しみながら子育てを続けている。新卒当時は就職難で、出産後は育児との兼ね合いで職種が限られ、正規雇用がかなわなかった。国が就労支援を打ち出す30代後半~40代の就職氷河期世代の中でも、仕事や子育て、老後の不安を強く感じている。

【データ】高齢世帯4分の1貧困 「生活保護未満」独居女性では2人に1人

 「非正規。金銭的に余裕ない→転職に不利」

 「ワーキングプアは子の教育に影響→子も貧困」

 福岡市の女性(45)は時折、思いをノートに書く。息子(11)を1人で育てる有期契約社員。経験してきたことを記すという。

出産1カ月前、姿を消した結婚相手

 大学在学中に数十社の採用試験を受けたが、内定は出なかった。卒業後は有期雇用の食品工場など、非正規の職を転々としている。

 30代の頃、男性と交際し妊娠。パート先で正規雇用の誘いを受けていた。「正社員になって育児と両立できるだろうか」。仕事か家庭か。悩んだ末に子どもを選び、結婚して退社した。

 だが、出産1カ月前に男性とは連絡が取れなくなった。結婚相手は姿を消した。

憤りと不安、パニック障害に

 実家に戻って子を生んだ後、憤りと不安で息切れが続き、パニック障害と診断された。離婚はできたものの、親に交際を夜中までとがめられた。パートを辞め、息子と家を出た。

 今は有期社員。毎月、11万円弱の給料と4万円弱の児童扶養手当で暮らす。家賃や教育費がかさみ、テレビは持たず自分の服や化粧品はほぼ買わない。費用の安い保険にしか入らず、体を壊すのが怖い。

 「すぐ決まる仕事はずっと非正規だけで、正社員の話は出産や育児で断るしかなかった。これから子どもにお金がかかるけど、収入を増やすのはもう難しい」

 総務省の集計では、未婚だったり、配偶者と離婚や死別したりした35~44歳の単身女性のうち、非正規労働者は67万人(2019年)に上る。統計がある13~18年は70万~80万人。シングルマザーも含まれ、正規雇用の難しさが浮かぶ。

 背景には就職氷河期の採用控えに加え、同じ時期に進んだ労働政策の規制緩和がある。1990年代以降の労働者派遣法改正で派遣労働の対象業務が増え、企業は有期雇用も拡大。非正規雇用が増えていった。

 福岡女子大の野依智子教授(ジェンダー史)は「高度経済成長期に賃金上昇が求められる中、男性の給料で一家が扶養されるという『家族賃金』が広まり、女性の給料は家計補助的賃金となった。こうした男女の格差の上、労働政策の規制緩和による非正規雇用の増加は、非正規の単身女性やシングルマザーが貧困と隣り合わせであることを浮き彫りにした」と語る。

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最終更新:2/12(水) 9:28
西日本新聞

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