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古書店を集える空間に 業界苦境も独自路線 ムーンライト・ブックストア(千葉市)

2/12(水) 12:36配信

千葉日報オンライン

 書店を取り巻く厳しい状況が続く中、独自路線で幅広い世代のファンを獲得している古書店がある。千葉大学近くの学生街に店を構える「ムーンライト・ブックストア」(千葉市中央区松波2)。古書販売だけにこだわらず、コーヒーを飲みながら話し合う「哲学カフェ」を開催するなど人が集える空間を提供し、交流の場になっている。

◆10年で半減

 県書店商業組合によると、1月現在で全国の組合連合会所属の県内書店は95店舗。インターネットの通信販売普及などで10年前の約180店舗から半減した。千葉市内では昨年、創業88年の老舗「中島書店」(同区)が閉店。古書店も同じく苦境にある。

 ムーンライト・ブックストアは2007年ごろ、スナックを再利用して開店した。千葉大文学部時代から常連だった2代目店主の長嶋健太郎さん(35)=同区=は「お客さん同士が会話をできるサロンのような空間」と説明する。

◆コーヒーと

 紙の香りが広がる店内に入ると耳に心地よいジャズが流れ、平日は近所の喫茶店の深いりコーヒーを楽しめる。長嶋さん好みの哲学書が多く、県内の歴史書が手に入るのもこの店ならでは。自主制作の作家の本やレトロ雑貨も取り扱い、最近は絵本も増やしている。

 季節ごとに1回「西千葉哲学カフェ」も開催している。「働くって何だろう?」など素朴な疑問をテーマに大学生から高齢者まで10~20人程度が集まる。雑誌の内容について客同士で雑談したのが始まりで「答えを出すのではなく、いろいろな人の考えが知れればいい」(長嶋さん)。

◆「店主に会いに」

 Webデザインの仕事をしていた長嶋さんを訪ねる千葉大の学生もいるといい、参考となる本を薦め相談に乗ることも。地域密着を大事にしており、町内のイベントに出店し、近隣の店で本を販売することもある。

 長嶋さんの人柄にほれ込み来店する客も多い。通い始めて約8年の西柾耶さん(29)=同区=は「長嶋さんと話したくて来る人が多い。本を通じて友人もできる」と魅力を語った。

 「読書は仲間がいることが大事」と長嶋さん。昨年は近所の古書店が閉店し心を痛めたが、「読書の面白さを通じて人が交流する場所を残し続けたい」と話している。

 営業時間は原則平日午前11時~午後3時。土曜午後1~5時。日曜定休。

最終更新:2/12(水) 12:36
千葉日報オンライン

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