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殖栗 正登トレーナーが説いた 球速アップに必要な「土台」

2/12(水) 18:00配信

高校野球ドットコム

技術論の前に説いた「パフォーマンス前提条件」「コーチング論」

 さる2月1日(土)徳島県徳島市のJRホテルクレメント徳島で開催された「2020年度2020年度徳島県中学校体育連盟軟式野球部指導者講習会」。中高連携行事として高校野球の指導者も多数参加する中、「長期育成とスローイング動作と運動学習」という表題の前に1人の長身男性が立った。

 殖栗 正登(うえぐり・まさと)トレーナー。自らも投手だった選手経験と、日々新たなトレーニング・運動機能知識などを糧に7年連続でドラフト指名選手を輩出している徳島インディゴソックスにトレーナーを派遣している「インディゴコンディショニングハウス」(徳島県藍住町)代表として活躍。

 さらに自らも徳島インディゴソックストレーナー時代は入野 貴大(元:東北楽天ゴールデンイーグルス投手)らの育成に関わり、現在は昨年センバツ出場の富岡西(徳島)、広陵(広島)といった高校野球チームのみならず、「阿南長期育成野球トレーニング教室」(徳島県阿南市)をはじめとする小中学年代からの長期育成プログラムにも力を尽くしている。

 「選手たちの球速を早くするためのトレーニング法を、どんな形で教えてくれるんだろう?」魔法の言葉を待ち望む空気がいっぱいになる会場。しかし、殖栗氏がスーツを脱いで熱を帯びてまず話し始めたのは「めんこ」や「むち」を使って遠心力の伝わり方を具体的に表現しながらの「S字投法」に代表される技術論ではなく、サブテーマ「小学生~140kmへの段階的指導」というレジメに記されたサブテーマ通り。選手たちの「パフォーマンス前提条件」や指導者の「コーチング方法」といった「土台」の話であった。

「パフォーマンス前提条件」と「コーチング方法」の概略

その概略に少し触れると「パフォーマンス前提条件」の項では

1.身体組成密度

(体重÷身長)の目標値(中学球児は0.36・中学生トップ選手が0.4、高校球児は0.42、プロ野球選手が0.47)に到達するために、食事などで成長期に毎月1cm伸びる身長を1.2cmにまで伸ばすことが重要

2.フィジカル

体力テストにより情報を得た弱い部分を強化していく
*体力テスト投手例:

3.スキル

技術を運動学習の中でできるようにする運動の技能化。特に中学期に重要
*中学期のトレーニング:瞬間的に力を出すトレーニングの多用が必要

4.発達心理学

児童(小学生)後期・少年前期(中学生)・少年後期(高校生)での心理相違に留意する。

以上の4つを年齢に応じてバランスよく上げていくことが「結果=球速アップ」につながるということ。また「コーチング方法」では、以下のプロセスを軸に自ら学ぶ意欲・力を持つ「良い学び手」となりつつ「相手を尊重し、コミュニケーションを能力を作った上で『教える→わかる』の流れを作ることが大切」という話がなされた。

1.年代に応じて「わかる」ようにする

*似たような動きを用いながら、説明する
(例:スライダーの投げ方=川に向かっての石切りの投げ方)

2.自分の中で「できる」ようにする

*部分的に分けながらドリル形式で。かつ「気持ちを入れて・笑顔で心を砕く」

3.できた

*リズムを付けることもポイント
例:ピッチングのリズム:1・・・・2・3ないしはグー・・・・ポンポン

 そして約2時間に渡った講演時間のうち、半分はこのような「土台」話が続いたのであった。

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最終更新:2/12(水) 18:00
高校野球ドットコム

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