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新型コロナ「隔離には五輪選手村を」想定はるかに超える発症例と患者増

2/12(水) 16:40配信

東スポWeb

 新型コロナウイルスの国内感染者で、また新たな症例が出て厚労省が混乱している。千葉県勝浦市のホテルに隔離されていた男性が、2度のウイルス検査で陰性反応にもかかわらず帰宅間際に感染が判明する一方で、自宅待機の男性も感染していた。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、高齢者や持病を抱える乗客数百人の下船を検討しているが、約3700人全員の検査のメドはつかないまま。ネット上で「“あの施設”を使うしかない」と待望論が上がるのは、五輪の選手村だ。なお、中国本土では死者1110人、感染者4万4000人超(12日発表)と患者らの増加が止まらない。

「潜伏期間は最長24日」――。2002年~03年に中国で流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)で対応に当たった中国の医師・鐘南山氏が、10日に発表した新型コロナウイルスでの症例は、これまでのウイルス潜伏期間を大幅に更新するものだった。1099人の臨床研究から潜伏期間は平均3日、最長で24日もあったというのだ。

 これまでも世界保健機関(WHO)は、潜伏期間を巡って数字が迷走。最新では最長12・5日と示し、厚労省も追随しているが、「最長24日説」が出ては、対策の前提が大きく崩れることになる。さらに、11日に判明した2人の男性のケースで国民の疑心暗鬼は深まるばかりとなってきた。

 ともに武漢からのチャーター便帰国組で、50代男性は先月29日の第1便で帰国後、ウイルスを高精度で検出するPCR検査で陰性。勝浦市内のホテルで過ごしていたが、7日に発熱。再度検査しても陰性だったが、10日の3度目の検査で陽性と判明した。

 また40代男性は、第2便で先月30日に帰国した際の検査では陰性。第2便で症状がない人の大半は、東京・府中市の警察大学校や財務省の西ケ原研修合同庁舎に滞在していたが、男性は「子供の面倒を見るため」と埼玉県内の自宅で待機していたところ、8日に発熱し一度は風邪薬で対応しようとしたが、10日に感染が判明した。

 これまでも感染者の中には、陰性から陽性へと変わるケースや無症状もあるため、厚労省は最長2週間、宿泊施設での滞在を要請していたが、強制力はなく、懸念していた自宅待機組からも感染者が出てしまった。

 厚労省は勝浦のホテルに滞在した男性については「外出は確認されていない」としたが、自宅待機の男性については「妻と子供が濃厚接触者の疑い」とし、行動歴や他の接触者との調査は今後、行うと言明。

 ただ、プライバシーの観点から自宅や立ち寄った医療機関についての詳細は明かさなかった。第1便組も11日に行った検査で陰性ならば、12日にも帰宅になるというから心配だ。

 一方、横浜港沖に停泊する「ダイヤモンド・プリンセス」は“院内感染”に近い状態と化しており、感染者は膨れ上がる一方だ。12日に39人の感染が発表され、同船の感染者は計174人となった。検疫官も感染。感染者たちは医療機関に入院となったが、計約3700人を全員検査する態勢がいまだ整っておらず、下船へ向けた見通しも立っていない。

 チャーター便組のように、いったん施設へ移す方法を模索しているようだが、人数が膨大とあって難儀している。かといって検査だけで自宅待機となった場合、無症状のケースや後日になって発症者がどれだけ出るかは予想がつかない。

 八方ふさがりとなっている状況にネット上では「五輪の選手村を使えばいい」との提案が、賛同の広がりを見せている。

 関係者は「五輪選手村は東京・晴海地区に整備され、五輪時に選手・関係者約1万8000人を収容でき、セキュリティー上、外部との隔離もできるから、ネットでそのような声が出ているのでしょう」と指摘する。

 ただ、選手村は五輪・パラリンピックで使用されるほか、大会後はマンションに転用され、賃貸・分譲される。新型コロナウイルスの隔離施設として使用されれば、終息の見通しも立たない中、どんな風評被害が残るか分からない。とても五輪大会組織委員会がゴーサインを出すはずもなさそうだが…。

 なお、WHOのテドロス事務局長は11日、新型コロナウイルスの感染による病状を「COVID-19」と名付けたと発表した。英文の「コロナウイルス病」を略した「COVID」と、感染が報告された19年を組み合わせたものだ。

東京スポーツ

最終更新:2/12(水) 19:52
東スポWeb

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