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ゲンジボタル分布、遺伝子ごとに3集団 東日本と西日本、九州に

2/12(水) 20:27配信

佐賀新聞

 ゲンジボタルを遺伝子レベルで解析すると、東日本と西日本、九州の三つの地理的集団に分けられるという研究結果を、佐賀大学総合分析実験センターの永野幸生准教授(ゲノム科学)らのグループが明らかにした。日本の東西で光り方が異なることは知られてきたが、ゲノム(全遺伝情報)レベルでの違いを裏付けた。研究成果を通じてゲンジボタルの保全活動への貢献が期待される。

 ゲンジボタルは、新潟県から静岡県にまたがる中部山岳地域(フォッサマグナ地帯)を境にして発光周期が分かれるとされ、西日本は2秒間隔、東日本は4秒間隔となっている。永野准教授らは本州と九州の約50匹について、ミトコンドリアDNAよりも遺伝情報が多い細胞核DNAなどをゲノムレベルで調べた。

 解析結果では、「東本州型」と「西本州型、九州型」の二つに大きく分けられて、遺伝的交流もほぼ無かった。西本州型と九州型は境界が曖昧で、遺伝子の混合(交雑)が佐賀県や山口県で観察された。研究グループは、まずは東西に分かれた後、西本州型と九州型に分化したと予想する。解析によって、ゲンジボタルがどの集団に含まれるかを判別できる「DNAマーカー」も見いだした。

 研究グループは鹿児島大や佐賀大、日本ホタルの会などで構成し、研究成果は英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に発表した。

 ゲンジボタルは人為的に移すことによって地域固有の遺伝子への影響が懸念されているが、研究成果によって集団を区別できるようになり、実態の正確な把握につながるという。

 永野准教授は「最先端の科学によって多くの遺伝情報が得られ、地域性の違いもはっきりさせることができた。研究成果を通じて保全活動が行われているゲンジボタルへの関心も高まれば」と話す。

最終更新:2/12(水) 20:27
佐賀新聞

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