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【移住促進】起業・自立を支えよう(2月13日)

2/13(木) 9:12配信

福島民報

 地方の人口減少対策として首都圏などからの移住促進が叫ばれる。近年は移住先で起業する人が増えており、地域の魅力再発見や新しいビジネス創出につながる可能性を秘める。本県も支援策を充実し、挑戦を後押しすべきだ。

 政府の人口動態調査によると、全国の人口は二〇一九年まで十年連続で減少した。本県の減少数は都道府県別で四番目に多い。少子化に加えて首都圏などへの流出が大きな要因とされる。

 昨年十二月に決まった政府の第二期地方創生総合戦略は都市部に住みながら地方と交流する関係人口拡大、地方の就業者を二〇二四(令和六)年までに百万人増やす-などを掲げた。人口偏在は地方の衰退を加速させ国土保全や均衡ある発展を妨げるだけに、確実な成果が望まれる。

 県は二〇二〇年度当初予算案の主要事業トップに人口減少・高齢化対策を挙げた。危機感の表れと言える。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で激減した本県への移住者は二〇一五(平成二十七)年度以降、幸い増加に転じている。二〇一八年度は五百五十七人で、前年度の約一・八倍に急増した。交通費補助や市町村の受け入れ体制整備など地道な努力が実ったと言えよう。

 興味深い報告がある。総務省事業の地域おこし協力隊員は三年の任期終了後、約六割が同じ地域に定住し、そのうち三割近くが起業している。内訳は古民家カフェなど飲食サービス業、パンなど小売業、ゲストハウスなど宿泊業、まちづくり支援、ツアー案内など観光・移住交流業が目に付く。県内で頑張る人も多く、活力を生んでいる。

 協力隊員出身ではないものの、本県と東京に活動拠点を置き、子育てしながら六次化商品の開発販売を軌道に乗せようと奮闘する女性も現れた。二地域居住、仕事と家庭の両立など今求められる生き方の実践例だ。同じような人を一人でも多く育てたい。

 本県を基盤に起業を試みる人の意欲を受け止め、支えていくには、行政だけでなく地域社会、金融機関などの連携が不可欠だ。開業・運転資金や活動拠点の確保、販路拡大などのさまざまな課題を乗り越えなければならない。経理や商品開発を学べるセミナー開催など具体的な手だてが必要だ。起業した人や、これから起業しようとする人の意見や要望を取り入れ、使い勝手の良い態勢を整えよう。

 起業しやすい環境は、生まれ育った土地での飛躍を期す本県の若者にも魅力的に映るに違いない。(鞍田 炎)

最終更新:2/13(木) 9:12
福島民報

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