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なぜ日本の消費者は「食の安全」にこれほど無頓着か?【トランプに握られた日本人の胃袋】

2/13(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【トランプに握られた日本人の胃袋】#29

 アメリカ産の食材・食品を扱わない「生活クラブ」。その連合会企画部・前田和記部長の話を続ける。地域的な問題で生活クラブから安全な食品を買えない人は、どうしたらいいのか。

 前田部長はとにかく食品の包材の表示欄をチェックしてみることだという。

「加工食品の原材料は重量順に記載されており、その第1位の原材料には原料原産地を書くことが義務化されましたから、その表示を見て国産ものを選ぶことです。また、原材料と添加物を区別するスラッシュルールが始まっていて、スラッシュ(斜線)が入った後はすべて添加物という表示に変わりましたから、スラッシュの後ろに見慣れない名前の添加物が多い商品は避けることで、リスクは下げられます」

 添加物の毒性評価については、国が安全性を認めた828種類が使用OKとなっているが、複数の添加物を同時に摂取したときの毒性評価はほとんどなされていない。スラッシュ以下はできるだけ少ない方がリスクを下げられるという。

■SNSで目覚め始めた米国人

 次に、アメリカの消費者の「食の安全」に関する意識を聞いてみた。日本人同様、成長ホルモン肉や遺伝子組み換え食品を食べ続けているのか、それとも変化が出てきているのか気になるところだが、リスクのある食品から距離を置く米国人が増え、オーガニック(有機栽培)が人気だという。

「米国のオーガニック市場は30年前とは比べものにならないほど拡大し、約6兆円とされます。それを支えているのは30代以下の世代です。彼らは、生き方ばかりか食の安全についても、飽食世代とは違う価値観を持ち、それがSNSでシェアされて広がり、オーガニックブームの原動力になっていったのです」(前田部長)

 かつての米国の消費者は、いまの日本人と同じくらい食の安全に無頓着だったというが、それはマスメディアの責任が大きい。食品会社や農薬会社からの訴訟リスク、ロビー活動、広告減少などを気にして、警鐘を鳴らす記事を自主規制してきた。それがSNSの広まりで、食の安全に関する情報が拡散され、大きな
うねりになってきているという。

「結局、日本の消費者は情報がないのではないでしょうか。なぜ長い時間かけて運ばれてきた米国産の穀物や果物が腐らず、大きな利益を得ているのか。どのようなエサを食べてどのように育てられているのか。何も知らされずに、ただ、安い、うまい、珍しいだけを基準に食材を選んでいる人も多いのではないでしょうか」(前田部長)

 無知に慣らされた日本の消費者。トランプと米国の生産者のカモにされている、と指摘されても仕方ないだろう。

(奥野修司/ノンフィクション作家)

最終更新:2/13(木) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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