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比嘉大吾、復帰戦でTKO勝ちも「最悪でした。体力がきつかった」/BOX

2/13(木) 23:02配信

サンケイスポーツ

 プロボクシングの元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(24)=白井・具志堅スポーツ=が13日、約1年10カ月ぶりの復帰戦として東京・後楽園ホールで119ポンド(約53・9キロ=スーパーバンタム級相当)契約のノンタイトル8回戦を行い、フィリピン・バンタム級11位のジェイソン・ブエナオブラ(25)=フィリピン=に6回2分25秒TKO勝ちした。

 比嘉大吾が帰ってきた。この男の居場所はやはりリングの上だ。チケットは完売。長い間待っていた満員の後楽園ホールのファンは、比嘉を大声援で迎えた。

 「あんなに応援がいるとは思わなかった。びっくりしました」

 地元沖縄からは約250人が駆け付け、立ち見も出るなど、2005人の大観衆となった。「ダイゴ」コールに後押しされた比嘉は、1回から果敢に距離をつめて相手の懐に潜り込み左右のフックなど強打を振るった。2回からはボディーを有効に攻撃して相手を痛めつけ、6回に右ボディーでダウンを奪う。再びの「ダイゴ」コールに応えて連打を浴びせ、最後も右ボディーで相手をキャンバスに沈めるとレフェリーが試合を止めた。

 しかし、本人は試合内容を問われると「最悪でした。体力がきつかった」と答えた。「このままモチベーションが上がらなかったら(ボクシングを)辞めようと思う。今後についてはいろいろ考えます」と話した。

 所属ジムの具志堅用高会長(64)は11日に死去した野村克也さんのことを引き合いに出し「あの人のやってきたこと、あの人の話したことはすばらしいと思う。いかに選手を強くさせていくか。選手を指導していくか。ボクシング界もそういうのを勉強しなくちゃいけない」と比嘉をサポートしていくことを誓った。

 比嘉は18年4月14日、WBC世界フライ級3度目の防衛戦の前日計量で、リミットの50・8キロを900グラム超過。世界戦で日本選手初の計量失格となり、王座を剥奪された。その後、ボクサーライセンス無期限停止処分を受け、復帰の場合は1階級以上階級を上げることを義務とする異例の条件を課された。

 同15日の試合で9回TKO負けした後、半年間はまったく練習をせず「普通に飲んで食べて」過ごした。体重は最大で約68キロまで増えたという。7カ月後から週1回練習を行い、そこからだんだん週3回ぐらいになったり、練習に行かなくなったりした。この頃、減量のつらさなどを理由に父親にボクシングを辞めることを相談し、某居酒屋チェーン店でアルバイトをすると話した。しかし、話し合ううちに思い直したという。

 19年9月に処分が解除され、週6回の本格的な練習を再開。WBA、IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(26)らを担当するバンデージ職人として知られる、パーソナルトレーナーの永末貴之氏と新たに契約し、食事とフィジカルトレーニングのアドバイスを受けながら減量に取り組んだ。

 スパーリングは同じジムの元WBA世界フライ級暫定王者の江藤光喜(32)や、日本スーパーフライ級王者の中川健太(34)=三迫、プロ2戦2勝(2KO)の富岡浩介(17)=REBOOT・IBA、アマチュアライト級の逸材の堤麗斗(17)=千葉・習志野高2年=らさまざまなタイプの選手と合わせて約70ラウンドをこなした。

 現在はWBC世界バンタム級7位にランクインしている。プロ戦績はこれで17戦16勝(16KO)1敗。プロデビュー戦から15戦連続KO勝利の日本記録を持つ、強打が武器の右ファイターはまたリングに戻ってくるのか。このまま引退するにはあまりに惜しいことは、この日の熱狂を体感した人たちはみな知っている。

最終更新:2/13(木) 23:02
サンケイスポーツ

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