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望まぬ妊娠も…“真剣交際”なら未成年も性行為OK? 「条例だけでは不十分」の声も

2/13(木) 8:01配信

AbemaTIMES

 「ネットやSNSの普及により、子どもが見知らぬ大人が親しくなり、性行為に及んだ場合に処罰対象にならないケースが出てきている」。そんな危機感から大阪府が2月議会に提案する、「青少年健全育成条例」改正案が話題を呼んでいる。

【映像】東大法学部卒・井川意高氏が条例案に異論

 改正案では、脅迫するなどして性的関係を結ぶような場合や、自己の性的欲望を満足させるための対象としてのみ扱っているような場合について規制の対象とする一方、「真摯な交際関係における性行為又はわいせつな行為は規制対象ではありません」との考えを取っている。

 大阪で児童にかかわる性犯罪事件に携わっている奥村徹弁護士は「現行の条例にも欺瞞、威迫、困惑などの要件は入っていたが、普通に知り合って性行為に及んだ場合、ほとんどが検挙できない状況にあったため、僕は“淫行特区”と呼んでいた。今回の改正はそれらに加え、婚姻等を目的としない性行為一般を含めるというもので、すでにそうなっている他の県に揃えるということだ」と話す。

 これに対し大王製紙前会長の井川意高氏は「性的欲求を満たす目的ではない性行為というものが果たして存在するのだろうか。結婚をするということイコール真摯な交際になるのだろうか。フランスでは婚外子が過半数を超えているし、その意味では従来の大阪の方が先進的だったと言えるのではないか」と問題提起すると、奥村弁護士は「手段を限定して処罰範囲を明確にしたということであり、刑罰法規としては限定している方が分かりやすいと言えるのではないか。ただ、この条例そのものが保守的な家族観・結婚観を前提としているし、そもそも福岡県青少年条例違反の最高裁大法廷判決(昭和60年)で示された“みだらな性行為”の前提を元にしているので、その意味ではかなり古く、実情に合わないところもあると思う」と説明した。

■裁判所に“真剣交際”がジャッジできるのか?

 そして、“真摯な交際”、いわゆる“真剣交際”を、誰が、どのように判断するのだろうか。街で話を聞いてみても、「そもそも交際って、真剣以外に考えられないと思う」(16歳の男女)、「将来結婚しようとお互いに決めているのが真剣交際というものなのではないか」(21歳男性)と、若者たちは困惑気味だ。

 この点について奥村弁護士は「真剣かどうかは裁判所が決めるし、真剣かどうかというのは定義することができない。最高裁の判例についても、結局はどのような行為が真剣交際にあたるのかは分からないし、他県の条例で真剣交際と認められた例が参考になるのだと思う。その典型的なものでは、神戸地裁尼崎支部の判決(平成29年)がある。17歳女性がアルバイト先で知り合った男性にクッキーや手紙を渡して、男性の方が交際を申し込んだ。その後、カラオケボックスで性行為をしているところをカラオケボックスの店員に見つかり通報されたものだが、これは真剣交際だと認められ無罪になった」と話した。

 すると井川氏は「学生時代(東京大学法学部在学中)、憲法学の権威・樋口陽一教授(当時)の卒業試験が“淫行条例について述べよ”というものだったが、権力が人間の内面に踏み込むことに嫌悪感を抱いている私は“はっきり言って罪刑法定主義に反するし間違いだ”と書いた。いつもは成績の悪い私が、このときだけは“優”だった(笑)」と回想。「そもそも全国の自治体で条例を作るくらいなら、国会で法律を作ればいいはずだ。しかしそれをしないのは、この問題が法律に馴染まない、法律で定めるべきではないものだと知っているからではないか」と指摘した。

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最終更新:2/13(木) 8:01
AbemaTIMES

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