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「パニックにならず必要な対応を」新型コロナ 医師の見解

2/13(木) 7:00配信

Medical DOC

まだまだ新型コロナウイルスの感染拡大が続き、全世界での感染者は4万人、死者は900名を超えました(2月10日現在)。日本でも観光地は閑散とし、旅行や宿泊のキャンセルも相次ぐなど消費の落ち込みや、マスクの品切れ、高額での転売なども問題となっています。もし日本でも大流行したら……と考えると過敏に反応する気持ちもわかりますが、実際のところ新型ウイルスはどれくらい危険で、どのような対策が正しいものなのでしょうか。東京慈恵会医科大学附属病院で感染症科医長を務める堀野哲也先生に伺いました。

※この記事は、2020年2月10日時点の取材データをもとに作成しております。

【この記事の監修医師】
堀野哲也先生(東京慈恵会医科大学附属病院感染症科 診療医長)

編集部:
新型肺炎かな? と思ったらどうしたらいいでしょうか?

堀野先生:
現在、新型コロナウイルス感染症を疑う症例として、

(1)37.5度以上の発熱と呼吸器症状
(2)発症する2週間前以内に、武漢市を含む湖北省への渡航歴があるか、武漢市を含む湖北省に居住または渡航歴のある人と濃厚接触歴がある

の(1)と(2)いずれも満たす症例と定義されています(2月10日時点)。また、それとは別に指定感染症としての届出基準が厚生労働省から発令されています。これらの診断基準や届出基準を満たす方が来院された場合は、他の患者と接触しないように、できれば個室、個室がなければ他の患者から距離をとって、サージカルマスクという医療用マスクを着用して待っていただきます。診察時は個人用防護具(Personal Protective Equipments:PPE)を着用し、診察することが必要です。新型コロナウイルスの検査の必要性と今後の対応については、最寄りの保健所に相談して指示を仰ぐことになります。

編集部:
もし日本でも大流行が起こったらどうすればいいでしょうか?

堀野先生:
SARSやMERSと比較して重症化する確率や致死率はかなり低く、ウイルスの感染力を示す「基本再生産数」を考慮すると、現在流行している季節性インフルエンザと同様にも思われます。パニックを起こさずに厚生労働省や国立感染症研究所などからの正確な情報や指示を確認し、必要な対応をとることが重要です。

編集部:
「基本再生産数」とは?

堀野先生:
感染者1人から平均何人に感染させるのかを示す「基本再生産数」は、新型コロナウイルス感染症では2-3と報告されており、1人の感染者からだいたい2~3人に感染するということになります。これはMERSの0.5-1より高く、SARSと同程度から低い数値で、季節性インフルエンザと同じくらいの感染力となりますが、現時点で診断された感染者数を対象としているため、今後、変更となる可能性があります。

編集部:
HIV治療薬が有効との報道がありました。

堀野先生:
抗HIV(エイズウイルス)薬の一つであるプロテアーゼ阻害剤に分類される「ロピナビル」と「リトナビル」の合剤「カレトラ」や、抗ウイルス薬の「レムデシビル(remdesivir)」の有効性が期待されていますが、現時点では医学的に証明されておりません。忘れてはならないのは、多くの感染者が抗ウイルス薬や抗菌薬などの特別な治療なしで改善しているということです。

編集部:
我々はどのように予防したらよいでしょうか?

堀野先生:
手指衛生、つまり手洗いを徹底することがとても重要で、石けんを使った手洗いを少なくとも20秒間、あるいはアルコール手指消毒剤を用いて手指衛生をします。また、人混みではマスクを着用し、他者からの感染を防ぐだけでなく、自身から他者に感染を広げないことも重要です。

編集部:
医師の感染対策は?

堀野先生:
飛沫感染と接触感染が主な感染経路と考えられており、標準予防策に加えて、飛沫予防策、接触予防策が推奨されます。また気管吸引などのエアロゾルが発生するリスクの高い処置を行う場合は、空気感染も懸念されるため、空気予防策としての対応も推奨されます。また、飛散した飛沫によって結膜から感染することも懸念されておりますので、フェイスガードを着用して対応します。繰り返しになりますが、標準予防策、手指衛生を徹底することがとても重要です。

編集部:
ありがとうございました。

堀野先生:
新型コロナウイルス感染症の情報は日々刻々と更新されています。今回は現時点での情報をもとに記載していますが、新しい正確な情報を取り入れ更新していくことが必要です。

Medical DOC

最終更新:2/14(金) 9:47
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