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本格化する米大統領選と 民主党が陥いるデジタル戦略の遅れと焦り(市川裕康)

2/13(木) 17:02配信

選挙ドットコム

アイオワ党員集会の投票結果の遅れによる波乱、トランプ大統領に対する弾劾裁判の無罪評決、そしてリアリティショーのような一般教書演説と、米大統領選挙関連のニュースが次々と話題になる中、いよいよこの秋に行われる大統領選挙に向けた闘いが本格化しつつあります。

海の向こうで起きているアメリカの大統領選挙ではありますが、世界の政治、経済、外交・安全保障に大きな影響力を持つアメリカが行う4年に1度の選挙の状況に注意を払うことは、国内の政治、選挙の今後のあり方を考察する上でも多くのヒントが得られるのではないかと思います。

今回は特に大統領選に向けてのキャンペーンに向けて欠かすことが出来ないコミュニケーション手段となりつつあるデジタルメディア戦略の活用状況に関して概観してみたいと思います。

ソーシャルメディアを最大限に活用しているトランプ陣営

2008年、2012年に大統領選で勝利したオバマキャンペーンのことをソーシャルメディア活用の輝かしい事例として記憶している人も多いと思います。ただ、2016年のトランプ大統領の誕生、そして2020年の再選に向けてのキャンペーンの状況を踏まえ、ソーシャルメディアを最も「効果的に」活用しているのはトランプ大統領とそのキャンペーンチームである、という認識が広がりつつあります。

選挙コンサルティング会社「ケンブリッジ・アナリティカ」がフェイスブックなどの利用者の個人情報を収集して展開したSNS上のターゲティング広告戦略、更にはロシアからの干渉、マケドニアの若者によるお金儲けのためのフェイクニュースサイトの暗躍など、海外からの干渉は今までも大きな話題になりました。ただその一方で、実はトランプ陣営の内部での「効果的な」ソーシャルメディア活用と、2016年の当選後に継続してそのデジタル活用に磨きをかけ、洗練させてきたことも、ここに来て注目を集めています。

例えば、2016年における各陣営のフェイスブックのターゲティング広告の活用状況を見てみましょう。2016年の6月から11月の間にトランプ陣営は4,400万ドル(約48.2億円)、ヒラリー・クリントン陣営は2,800万ドル(約30億円)を投じたと、ブルームバーグの記事はフェイスブック社の内部レポートを引用し述べています。金額としてはトランプ陣営が投じた額は1.57倍程度ですが、驚くべきことは閲覧者に応じて表示内容、メッセージ、画像、色などが異なる590万パターンにも及び広告を駆使したのに対し、クリントン陣営はたったの66,000パターン(約1%)だったそうです。

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最終更新:2/13(木) 17:02
選挙ドットコム

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