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「パラサイト」快挙に沸く韓国 日本映画どうすれば作品賞狙えるのか

2/13(木) 11:04配信

THE PAGE

日本映画は世界市場で高評価を得られるか

 では、日本もその機運に乗ることはできるだろうか。今回のアカデミー賞では京都出身で昨年米国の市民権を取得したカズ・ヒロ氏が、2018年に続きメーキャップ・ヘアスタイリング賞を受賞したことも日本で大きな話題となっている。ヒロ氏が会見で日本の経験が生きたかと問われ「こう言うのは申し訳ありませんが、私は日本を去ってアメリカ人になりました。(日本の)文化が嫌になってしまった。(日本では)夢をかなえるのが難しい」などとコメントしたことから、作品賞とは別の話ではあるものの、「日本では作品賞を受賞した韓国のようにはいかないのか」などという嘆きの声も出ている。

 「素っ気ない回答で、日本人からしたらちょっと突き放された感が強いだろうなと感じました。でもある意味、キッパリしてますよね。本人は会見で質問を受けて明るいトーンで話していたのですが、日本人にはグサッときたかもしれません」(前出・50代女性ライター)

 ヒロ氏は過去のインタビューで「日本人は日本人ということにこだわり過ぎているから、個人のアイデンティティーが確立していない」として、大事なのは個人としてどんな存在で何をやっているのかだ、とも話しているが、それだけではなく日本映画の慢性的な欠点を指摘する声もある。映画宣伝を担当する40代女性スタッフは話す。
 「日本では海外に発信する意識が希薄で、人気あるアイドル女優を起用し女子高生が主役のものが多く製作されたりと国内に受ける映画作りが続いています。それも日本のカルチャーと言ってしまえばそうなのですが、コミック原作ものがやたら多かったり、キャスティングに際して広告代理店や芸能事務所の影響が強かったりと、純粋に良い作品を作る観点からすると弊害が多い。加えて海外のプロデューサーなどを動かせるようなビジネス的手腕を持つプロデューサーも少ないんですよね。作品賞を狙えるような映画を作るには抜本的な改革が必要だと思います」

 ネット上では今回のアカデミー賞をきっかけに、日本人にありがちな同調圧力による“個の封印”や日本の映画作りに対する疑問点などを指摘する声も続出して、さまざまな議論を呼んでいる。今回の韓国映画の快挙が日本の映画界に危機感をもたらし、日本映画界の変革の始まりとなるだろうか。

(文・志和浩司)

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最終更新:2/13(木) 11:17
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