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新型コロナウイルスの流行で露わになった「世界の人種差別」

2/13(木) 12:01配信

GLOBE+

コロナウイルスが世界で猛威をふるっています。コロナウイルスの流行が終わることは誰もが望むところですが、今回はこのウイルスの流行をきっかけに各国であらわになった排他主義や人種差別に目を向けてみたいと思います。

差別対象がどんどん広がる

ウイルスの発祥地として当初、武漢という特定の町の名前が出てきたときから嫌な予感はしていましたが、案の定、数日後には温泉地の箱根で「中国人お断り」と貼り紙を掲げる駄菓子店が登場したり(現在、貼り紙は外されました)、札幌市でも「中国人入店禁止」の貼り紙を掲げたラーメン店が物議を醸しました。いうまでもなくこれらの貼り紙は人種差別的であり、場合によって民法の不法行為が成立する可能性がありますし、国連の人種差別撤廃条約にも違反しています。

それにしても興味深いのは「中国国内では武漢出身者が差別され」「日本国内では中国人が差別され」「ヨーロッパではアジア人が差別されている」という点です。つまり地域によって、差別される対象の人々はどんどんひろくなっていっており、もはや合理的なウイルス対策とはいえない類の「対策」が目立ちます。例えば、イタリア・ローマにあるサンタチェチ―リア国立音楽院は「すべての東洋人へのレッスン中止」を発表し物議を醸しました。

筆者の母国のドイツでは、よく知らない人であっても、相手がクシャミをすると、“Gesundheit“(英語のBless youに該当。直訳すると「お大事に」という意味)と声をかけてコミュニケーションを図る習慣があります。ところが、コロナウイルスが登場して以来、クシャミをしても、“Gesundheit“と声をかけてもらえるのは主に白人で、東洋人がクシャミをすると、周りがスーッといなくなる様を中国系ドイツ人のジャーナリストであるMartin Ku氏がユーモアたっぷりに書いています。同氏がパンダの赤ちゃんの取材のためにベルリンの動物園に行き、動物園の職員から話を聞こうとしたところ、職員の人が後ずさりをし、明らかに遠ざかろうとしたエピソードがドイツのTagesspiegelに書かれています。彼はその後、同園の別の職員に話しかけるも、その人は返事をせず無言で立ち去ったそう。Ku氏は動物園で職員同士が「お前はやっぱりコロナが怖いのか」とからかうような口調で会話している様子も目撃しています。

このようにコロナウイルスの登場によって、ヨーロッパではアジア人への差別行為が起きていますが、前述のMartin Ku氏は記事を「中国人に見えるからといって、中国人だとは限りません。また中国人であっても、直近で中国を訪れた人ばかりではありません。尚、実際に中国を訪れた中国人であっても、全員が感染しているわけではありません。やはりコロナウイルスの対策として一番有効なのは手洗いとデリカシーです」と皮肉たっぷりに締めくくっています。

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最終更新:2/15(土) 12:09
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