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〈2020主役候補のルーツ〉競歩・川野将虎 競技歴わずか6年で地区大会ビリから五輪切符…父も認める「うちの子努力の子」

2/13(木) 6:00配信

中日スポーツ

 陸上の男子50キロ競歩で東京五輪代表に決まった川野将虎(21)=東洋大。東京五輪代表選考レースの全日本50キロ競歩高畠大会で日本記録を更新して優勝し、競技歴6年で東京五輪のメダル候補に名乗りを上げた。誰よりも驚いていたのは、父・公明さん(47)だった。「まさかあの子が五輪に出るなんて。人生何が起きるかわからない」

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 運動は苦手だった。公明さんが柔道に親しんでいたため、小学2年から道場に通ったが、川野は試合で一度も勝てなかった。徒競走でもビリばかり。中学の卓球部でも目立った成績は残していない。卓球部と平行して、先生の勧めで参加した駅伝部で、走る楽しさを覚えた。公明さんは「自分で自分を追い込める。駅伝部の時も疲れるまで走って、そしたら少しずつタイムが上がってきて楽しくなったんじゃないかな」と振り返った。

 御殿場南高に入り、転機が訪れた。顧問の強い勧めで、最初はしぶしぶ競歩を始めた。デビュー戦となった静岡東部大会は、5000メートルに出場する心積もりだったが、エントリーされたのは5000メートル「競歩」。練習わずか3日で臨み最下位。他の選手の失格があり、繰り上げで出場した県大会で自己ベストを大幅に更新し、競歩の楽しさに目覚めた。週に1度、御殿場の起伏に富んだ道を30~35キロ黙々と歩き込むほど、夢中になった。

 競歩で五輪選手を輩出した東洋大でさらに力を伸ばし、大舞台の切符を懸けた大会には家族で駆け付けた。「大会に集中してもらいたかったので、直前はメールも電話も我慢した」。コース周辺で何度も声援を送り、ゴール後には家族で抱き合った。地区大会ビリから五輪代表へと成長したわが子を見て、「天才肌ではないが、うちの子努力の子」と照れくさそうに喜んだ。

 寅(とら)年生まれで、武将のように強く育ってほしいという思いを込めて、将虎と名付けられた川野。「金メダルを目指したい」と宣言した努力の男が、次は五輪の舞台で虎視眈々(たんたん)と頂点を目指す。

 ▼川野将虎(かわの・まさとら) 1998(平成10)年10月23日生まれ、静岡県小山町出身の21歳。178センチ、60キロ。小山須走中では卓球部と駅伝部を兼部。御殿場南高で競歩を始めた。東洋大に入学し、2018年全日本50キロ競歩高畠大会で日本学生記録を樹立。19年全日本50キロ競歩高畠大会で日本記録を更新して優勝し、東京五輪代表に決まった。

最終更新:2/13(木) 6:00
中日スポーツ

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