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クルーズ船隔離で集団感染 対応は適切だった?

2/13(木) 19:33配信

THE PAGE

 検疫のため横浜港に停泊中のクルーズ船で集団感染が確認されました。クルーズ船に乗客を隔離するという手法については、当初から賛否両論が出ていましたが、政府は明確な方針を定める必要がありそうです。

船内の感染率は約5.9%(13日時点)

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」には、乗客と乗員、合わせて3700名が乗船していましたが、2月12日には乗客と乗員39名と船内で検疫を行った検疫官1名が、あらたに新型コロナウイルスに感染していることが分かりました。また、これまでに感染が判明した人のうち4名が重症となっており、2名は集中治療室(ICU)での治療を受けているそうです。さらに13日にも44名の感染が判明し、船内の累計の感染者は13日時点で218名となっています。現時点で検査が実施できていない人も多いですから、感染者はまだまだ増えそうです。

 クルーズ船が横浜に到着したのは2月3日ですが、国内で初めて感染者が確認されたのはそれよりずっと前の1月15日で、28日には日本人の感染者も確認されています。疫学的に見た場合、複数の感染者が国内に存在しているということは、検出されていないだけで広く国内でも感染が広がっていると解釈するのが妥当とされています。したがって、横浜のクルーズ船だけを隔離するというのは合理的とはいえず、一部の医療関係者からはクルーズ船だけを特別視するのではなく、国内の感染拡大阻止に注力すべきという意見が出ていました。日本では満員電車の通勤が当たり前となっており、感染が広範囲に拡大している可能性は否めません。しかし、国内世論はクルーズ船に対する関心が異様に高く、隔離を強く求める声が大きかったため、政治的な観点から政府はクルーズ船の隔離を優先した形です。

 しかしながら、クルーズ船は閉じた空間ですから、船内感染が拡大することは当初から予想されていました。実際、13日時点においても船内の感染率は5.9%と極めて高く、封鎖されている中国の武漢(武漢は現時点で0.18%)をはるかに上回ります。船内で隔離したことで、かえって感染者数を拡大させてしまった可能性は高いでしょう。

 こうした事態が発生した最大の理由は、感染症が拡大した場合にどのような対応を取るのがベストなのか、政府内部にも国民にもコンセンサスが存在していないからです。隔離した方がよいのか、隔離が無意味なのかは状況によって変わりますし、現場では柔軟な対応も必要となりますから、医学的な見地に基づいた合理的かつシンプルなマニュアルが必要でしょう。

 ちなみに中国では、感染拡大に伴って検査や治療の体制が間に合わなくなっていることから、中国版のLINEとも言われるSNS「WeChat」に当局が専用アカウントを作り、具合が悪い人は病院には行かず、まずはSNSで医師から問診を受ける仕組みになっています。問診で感染が疑われる人は、当局が用意したクルマで、一般病院とは別の専用病院に運ばれるとのことです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2/13(木) 19:33
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