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【風評の深層・トリチウムとは】眼前に「処理水」...77万ベクレル

2/13(木) 14:49配信

福島民友新聞

 東京電力福島第1原発事故から10年目が迫るのに、福島を巡る言われなき風評が依然、復興にブレーキをかけている。これほどまでに根強いのはなぜか、その深層に横たわる要因を解き明かしたい。折しも放射性物質トリチウムを含む処理水の処分について政府の小委員会が海洋放出を強調した提言をまとめ、新たな風評必至という見方が広がった。風評を止めるすべはないのか。連載第1部は、トリチウムの実態を追う。
 「この中にトリチウムが含まれているのか」。東京電力福島第1原発にある化学分析棟に入り、放射性物質トリチウムを含む「処理水(トリチウム水)」と初めて対面した。処分方法を巡り、国内外で議論の的となっている処理水。見た目は無色透明、ただの水のようだ。
 第1原発で発生する汚染水は多核種除去設備(ALPS)で浄化され、処理水としてタンクで保管される。原発事故から丸9年を迎える中、貯蔵量は25メートルプールで2000杯分以上にもなる。しかし、取り扱い方法は決まっていない。立ち並ぶタンク群の映像が「福島の今の姿」として発信され、おどろおどろしいイメージを増幅させてきた。
 そもそもトリチウムとは、どんな物質なのか。
 「これが処理水です」。理科室のような分析棟で、担当者として取材に同行した資源エネルギー庁の木野正登廃炉・汚染水対策官が、約1リットルの処理水の入った容器を指さした。トリチウム濃度は1リットル当たり約77万ベクレル。第1原発で保管されている処理水の平均濃度と同程度だ。

最終更新:2/13(木) 14:49
福島民友新聞

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