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「心底怖い」 乗員に迫る新型ウイルス感染リスク、クルーズ船乗員が証言

2/13(木) 11:50配信

CNN.co.jp

横浜(CNN) 新型コロナウイルスの感染者が相次いで確認されている大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗員は感染の不安にさらされながら、接客などの業務継続を強いられている。乗員の1人がCNNの取材に応じ、乗員が置かれている状況や今の心境を語った。

横浜港に停泊中の船内では、乗客と乗員3700人あまりが隔離状態にある。感染者は日を追うごとに増え続け、12日には新たに40人の感染が確認されて、ダイヤモンド・プリンセスの感染者は計175人になった。

メディアの注目は多額を払って乗船した乗客に集まる。だが検疫が続く間、1000人を超す乗員は仕事を続けることを強いられ、感染の可能性もある乗客へのサービスや、船のメンテナンスなどの業務に当たっている。仕事中は制服を着用し、マスクと手袋を着ける。

厚生労働省の橋本岳副大臣はCNNの取材に対し、全員を平等に扱おうとしているとしながらも、乗員には個室がなく、今も仕事を続けなければならない状況にあることは、平等とは言えないと語った。

同船に乗務するインド・ムンバイ出身のソナリ・タッカーさん(24)は、同船を運航するプリンセス・クルーズに2年前に就職した。2日前からタッカーさんと、同じ船室を使っている同僚に頭痛やせき、発熱などの症状が出て、仕事を休むよう上司から指示され、自分の船室で隔離状態で過ごしているという。

タッカーさんはスカイプを通じてCNNの取材に答え、「食欲があまりなくて発熱が続いている」「みんな心底怖がって、張りつめている」と打ち明けた。

乗員はこれまでに少なくとも5人の感染が確認された。タッカーさんによると、同僚たちは今も相部屋で過ごし、互いに至近距離で勤務し、食事も一緒にしている。誰が感染しているか分からない状態で一緒に仕事を続け、乗客と接しなければならないことに不安を感じるという。

「自分の船室で隔離され、まだ検査さえ受けていない乗員がほかにもたくさんいる」とタッカーさん。「乗員全員に検査を受けさせて、感染者から隔離してほしい。誰がウイルスを持っているのかも、どれほど早く感染が広がるのかも、私たちには分からない」。

それでも会社や当局を批判するつもりはなく、仕事を続けることも構わない。ただ「安全な環境」で働きたいと訴えた。

感染症の専門家からは、日本政府とクルーズ会社が現在取っている検疫態勢に疑問を投げ掛ける声も出ている。米ベイラー医科大学のピーター・ホテス氏は、「感染した患者を安全に下船させる手段があるのなら、なぜほかの人たちを下船させないのか分からない」と語った。

米ハーバード大学のエリック・ルービン氏も、全員を船内にとどめておくことで、乗員が危険にさらされかねないと述べ、「船という閉ざされた環境は、感染症が拡散するためには完璧な場所」と指摘する。

タッカーさんと同僚のもとには、CNNの取材中に検疫担当の医師が訪れ、新型コロナウイルスの検査を行った。結果が出るまでには数日かかる可能性もある。「今でも怖い。陽性にはなりたくない」。タッカーさんの不安は募る。

最終更新:2/13(木) 11:50
CNN.co.jp

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