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パート主婦分断生む年金制度に変化? 変わる130万円の壁問題とそのリスク

2/14(金) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

都内の従業員300人の工場で働くパートのA子さん(45)は2019年12月ほど今の職場が嫌になったことがないと言う。きっかけは同僚の女性たちが就業調整で労働時間を大幅に減らしたことだ。

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「夫の社会保険の扶養の範囲内の年収に収めるために、12月に入ると働く時間を短くするのはいつものことです。でも昨年は会社の経理の通知ミスで11月までの給与の合計が125万円を超えていたことがわかり、いつも以上に仕事の量を減らしたのです。そのしわ寄せを受けて私たちの仕事量が増えました」

実態はこうだ。

「いつも午前9時~午後4時勤務ですが、12月は毎日午後6時、7時まで働きづめの日々でした。それでも時給は最低賃金の水準。目一杯働いても月17万円程度にしかなりません」

賃上げにまったく関心ない主婦パートを「利用」

実はA子さんは1年前から夫の扶養を外れて会社の社会保険に加入している。小さな工務店に勤務する夫の年収は400万円。老後のことを考えて厚生年金に加入したほうが得だと考えたからだ。A子さん以外のシングルマザーや男性の独身社員も社会保険に加入している。

だが就業調整している主婦パートの夫の勤務先は誰でも知っている有名企業が多い。賃金が上がらないのは「夫の扶養の範囲内であればよいという賃上げにまったく関心がない主婦パートの意識を会社が利用しているからだ」と、A子さんは言う。

いわゆる「130万円の壁」がパート間の分断を生んでいる。

しかし、今後は夫の扶養に入る主婦パートの社会保険料控除の範囲がさらに狭まる。2020年の通常国会に被用者保険(厚生年金保険・健康保険)の適用範囲を拡大する年金機能強化法の改正案が提出されるのだ。

2016年10月に施行された年金機能強化法では、

週所定労働時間20時間以上、

月収8.8万円以上(年収106万円以上)、

雇用期間1年以上見込み、

学生を対象外

企業規模501人以上の企業

これら5つの要件を満たす短時間労働者は強制的に加入することになった。施行以降、適用拡大によって新たに約43万人が被用者保険に加入している(2019年3月末時点)。

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最終更新:2/14(金) 23:01
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