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増える遭難 対応迫られるスキー場 半数が外国人 北海道

2/14(金) 8:56配信

毎日新聞

 1月下旬から2月にかけ、未整備の自然の雪山を滑っていた外国人スキーヤーの死亡事故が相次いだ。特に、スキー場周辺の管理区域外などバックカントリー(BC)と呼ばれる場所での遭難や事故は増加傾向。BCスキーはスキー場から出発することが多いとあって、スキー場も看過できなくなっている。ただ、管理区域外だけに対応に明確なルールは確立されておらず、事故防止へ関係者の模索が続く。【高橋由衣】

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 ◇管理区域外のルール模索

 北海道警地域企画課によると、2010~20年2月13日までの冬山シーズン(11~3月)に発生した303件の事故の、8割近くがBCスキー中に発生。外国人の事故の割合は14年ごろから増加し、遭難者数327人の約半数を占める。

 スキーが盛んで長い歴史を持つ欧米では、管理区域と区域外が分かりやすいスキー場が多く、利用者は自己責任で自由にスキーを楽しむという文化も根付いている。一方、日本はBCスキーの歴史が浅く、安全を確保したコースを基準に運営されているスキー場が中心。コースの間に立ち入り禁止区域が混在する所もある。

 スキー場内の事故を防止するために、13年に全国スキー安全協議会が改正した「スノースポーツ安全基準」は、日本のスキー場の管理区画が複雑であることから「スキー場関係者は、スキー場の地図に境界線をわかりやすく表示しておくことが必要不可欠だ」としている。

 ロープや看板などで管理区域の境界や立ち入り禁止区域を示しているが、完全に管理区域の外に出られないようにするのは不可能。登山も兼ねた山スキーと違い、スキー場を経由し、ロープをまたぎ、十分な装備をしないまま安易に区域外へ出るBCスキーヤーが増加。事故で責任を問われることはないとはいえ、スキー場関係者は頭を痛めている。さらに、BCスキーの後について行き、気づかずにスキー場外へ出てしまう事例も増え、対策は急務だ。

 こうした事態に道内のスキー場では、管理区域の境界に専用の出口を設置し、山岳地帯でも滑走ルートがある程度絞られ、事故が発生しても、遭難場所を予測できるようにするなどの取り組みが広がりつつある。

 外国人観光客にも人気の高いニセコ、倶知安両町にまたがるニセコアンヌプリ山に所在する5カ所のスキー場は、01年に行政や専門家が共同し、スキー場内外の事故を防止するための「ニセコルール」を作成した。

 スキー場外へ通じるゲートを11カ所に設置するなどして、雪の状態によってゲートを開閉し、事故の未然防止に動き出した。

 富良野スキー場(富良野市)は、山頂付近にBCスキーヤーがいつでも通過できる6カ所の「アクセスポイント」を設ける。登山道と同様に扱い、登山届の提出を求め、装備の確認や事故時の救助費用などを日本語と英語で説明する看板で注意を喚起。「自己責任と自己判断」を原則として活用している。

 スキー場もまだ試行錯誤の最中。道森林管理局や道は、国有林を含むスキー場外での滑走に関して強制力のある規定を定めておらず、対策は遅れている。

 全日本スキー連盟安全対策委員会の秋元洋一委員長は「スキー場の経営方針や財政などが影響し、安全管理の方法は統一しきれていない。安全対策のためには行政の力も必要だろう」と指摘する。

最終更新:2/14(金) 14:16
毎日新聞

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