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日本企業、中国“全面撤退”も!? 新型肺炎で嫌気…飲食大手「ワタミ」は7店舗閉鎖へ 識者「一気に動く可能性はなきにしもあらず」

2/14(金) 16:56配信

夕刊フジ

 中国で新型肺炎「COVID(コビッド)-19」の感染爆発状態が止まらない。13日朝の時点で、中国での感染者が1万4840人増えて計6万人に迫り、死者は計1355人となった。武漢市をはじめ各都市が封鎖され、工場の操業停止が続くなか、中国撤退を決断したり代替生産を検討に入る日系企業も出てきた。感染が収まっても中国経済が成長軌道に戻るのかも疑問視されており、海外ビジネスを中国に集中させるリスクが強く意識されている。

 ■国外での代替生産、工場再開延期…

 トヨタ自動車グループの自動車部品メーカー、アイシン精機は、中国国内に37の生産拠点を有するが、中国国外での代替生産も検討対象に入っていると明らかにした。

 同社広報部は、「どういった製品がどのぐらい在庫があり、危機的な状況になるか洗い出している状況だ。現地での労働力が不足するのはもちろん、感染の中心地にある企業からの仕入れができないことへの懸念もある」とする。

 エアコン製造大手の富士通ゼネラルは、無錫市と上海市の工場を稼働させた。ただ、同社広報・IR室は、「出勤率が従来の3割程度でフル生産になっておらず、生産は3割に届かない可能性もある。生産できたとしても運転手がいないなど物流の面で厳しい。タイで代替生産できるか検討している」と語る。

 スズキは、日本やインド向けの部品を中国で生産するメーカーが約10社あるとして、「中国以外の国でできないか検討している」としている。

 東京商工リサーチによると、新型コロナウイルスへの対応について公表した企業は10日現在で107社。

 トヨタ自動車は稼働を停止している中国の4つの完成車工場の再開を17日以降に再延期した。楽器大手のヤマハも中国内の全工場の休業を16日まで延長することを決めた。家庭用ゲーム機大手の任天堂は、日本国内向けに中国で生産している人気商品「ニンテンドースイッチ」の生産や出荷遅延が避けられないとしておわびを掲載した。

 中国本土から「全面撤退」するのが飲食大手のワタミだ。中国で展開する7店舗の閉鎖を決めた。「(撤退を発表した直近の)1週間の売り上げが前年比9割減になった」(同社広報部)としている。

 大阪商工会議所が在阪の会員企業を対象に実施した緊急調査の中間集計結果では、部品や原材料調達の支障や仕入れ、納入など物流網の停滞により、「すでに経営にマイナスの影響が出ている」または「今後生じる可能性がある」と回答した企業は6割に上った。中国関連事業を実施している企業に限ると8割台後半に達している。

 中国では2002~03年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が大流行した際、四半期ベースでGDP成長率が2%落ち込んだが、感染が終息すると回復し、再び成長軌道に乗り、日本企業の中国進出も続いた。

 今回も一過性の落ち込みならば、日本企業も我慢すればいいのかもしれない。だが、新型肺炎以外にも「チャイナ・リスク」は山積していると説くのは、『中国から日本企業は撤退せよ』などの著書がある評論家の宮崎正弘氏だ。

 「大市場があるという幻想と世界シェアのために、日本企業は中国への進出で競争してきた。だが、中国企業との合弁比率など条件が対等ではなく、資本主義とは関係ない」と強調する。

 中国経済に詳しい第一生命経済研究所主席エコノミストの西濱徹氏は、「中国の現状は、1人当たりGDPが1万ドル前後に達すると成長が伸び悩む『中所得国の罠』が意識される水準になっている。生産年齢人口も減少しており、SARSの終息後と同じように雇用や所得が急回復すると考えて大丈夫なのか気がかりだ」と話す。

 日本を含む海外企業が相次いで中国から出て行く事態はあるのか。西濱氏は「中国経済が元に戻らず、悪くなるという見通しを立てた場合、一気に動く可能性はなきにしもあらずだ。向こう5~6年では総人口も減少するとみられており、中国の消費市場に頼る企業が厳しい見方になる可能性もゼロではない」と指摘した。

最終更新:2/14(金) 18:58
夕刊フジ

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