ここから本文です

新型コロナウイルスの不安、怒りに振り回されないためにできること

2/14(金) 7:10配信

telling,

専門家がやさしく解説

日本の新型コロナウイルスの感染拡大は13日、感染拡大している地域への渡航歴のない患者が東京都や千葉県、神奈川県、和歌山県で確認され、日本感染症学会が先日発信したメッセージ「すでに市中で散発的な流行が起きてもおかしくない状況」の現実味が増してきました。市民の間にも不安が募り、中国・武漢から帰国した人やクルーズ船の乗客らは長期にわたる経過観察を余儀なくされています。終息の糸口が見えない中、私たちは感情をどうコントロールしていけばいいのでしょうか。日本アンガーマネジメント協会トレーニングプロフェッショナルで、精神看護専門看護師である横浜市立大学医学部看護学科の田辺有理子講師に聞きました。

新たな段階に入った可能性も

世界保健機関(WHO)は12日、感染症の専門家、スワミナサン氏が会見し、ワクチン開発に12~18カ月を要するとしています。また、WHOは各国政府がクルーズ船の寄港拒否していることを批判しています。

厚生労働省は、14日から感染の有無の確認をしたうえで80歳以上で基礎疾患がある乗客などの下船を始める方針です。また、武漢からチャーター機で帰国した人も感染していないことを確認したうえで、帰宅を始めています。

その一方、感染経路が不明確な日本人患者が見つかっています。13日、東京都の70代のタクシー運転手や千葉県の20代会社員の感染が確認され、神奈川県では当初、肺炎患者として治療していた80代の患者が亡くなり、死亡する直前の検査で感染が確認されました。和歌山県では医師が感染しています。新たな段階に入っている可能性があります。

不必要な怒りに振り回されない

――市民はストレスを抱えた生活を余儀なくされています。特に、狭い部屋で経過観察期間を過ごさなくてはいけない人はなおさらです。自分の怒りをコントロールして経過観察期間を過ごしたり、市民生活を送ったりするためにはどうしたらいいのでしょうか。

田辺有理子講師(以下、田辺): アンガーマネジメントは、怒りに振り回されて怒ってしまったことを後悔しないようにするための心理トレーニングです。怒らないようになるためのものではありません。怒っている人をなだめたり、静めたりすることと勘違いしている人がいます。しかし、世の中で起こることはなくせないので、自分が不要な怒りに振り回されないことを目指すと考えるとよいと思います。

新型コロナウイルスを巡る一連の出来事では、経過観察をされている人はストレスがたまると思います。狭い部屋で「何で自分はこんなことになっているんだろう」と考えるでしょうが、感情の表出の仕方は人それぞれ違います。

最初はチャーター機での帰国者、次はクルーズ船が注目されていますが、もっと身近なところでも問題は起きています。宿泊施設のスタッフに「何で中国人が泊まっているんだ」とクレームを付ける人がいます。飲食店でも町中でも、近くに中国人がいるだけで嫌悪感を示す人もいます。感染していない人たちでも、そのような怒りをクレームという形でぶつけるのです。

不安があるのは分かりますが、その表現は上手ではありません。クレームを受ける側もストレスがたまります。

――怒りをぶつけてしまう人はどのように自分をコントロールすればいいのでしょうか。

田辺: 怒りをぶつけてしまう人は、本来向けるべきところではないところに怒りを表出してしまっている人たちです。怒りは、2次感情といわれ、背後には1次感情が見え隠れします。新型コロナウイルスの件で言えば、“不安”が大きいでしょう。どうしたらいいかわからないので、不安をかき立てられてしまうのだと思います。そうすると、街を歩いているだけで危ないのではないかと思ってしまう人が出てきます。

ニュースをみて、あるいは飲食店や電車のなか人混みで、イライラする背景には、見えないウイルスへの恐怖や感染への不安が大きいと思います。自分が不安なのだと気付いたり、言葉にしてみたりすると、それは怒りで表現する必要のないことかもしれません。

1/4ページ

最終更新:2/14(金) 7:10
telling,

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事