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計量失格で資格停止の比嘉大吾が約2年ぶり復帰戦TKO勝利も現役続行白紙の衝撃発言…具志堅会長は困惑。その真相とは?

2/14(金) 5:40配信

THE PAGE

「18歳で東京に出てきて世界王者になろうと思った気持ちも薄れ、練習も行ったり行かなかったりだった。ファンが熱狂的でも本人がこんなんだったら意味がない。今後、モチベーションが上がらなかったら辞めようとも思っている」

 控室に帰ってから「最悪。疲れた。歯を食いしばりすぎて顎が痛い」で始まった比嘉のコメントもショッキングなものだった。

「ボクシングは難しい。ブランク?力不足だし、そんなに甘くない。なんの思い入れもなく臨んだ試合だったので、試合という気がしなかった。この試合をした後悔があった。自分がやりたいという意思で(試合を)やっていないので」
「本気でやっていたら、この試合内容では、悔しい感じになるんだが、悔しいってわけじゃない」
「闘争心もない。ただ前へ出ればいいや、で戦っててこずった。倒し方もわからない。疲れた。今は頭が回らない」

 2018年4月15日、クリストファー・ロサレス(ニカラグア)との3度目の防衛戦の前日計量で0.9キロの体重超過を犯し計量失格で王座剥奪、試合も9回TKO負けを喫し、JBCは無期限の資格停止の厳罰処分を下した。その後、本人曰く、「ニート生活」を余儀なくされた末に、昨年10月に処分が解除、約2年ぶりに戻ってきたリングである。
 そのモチベーションに疑いはなく、満場の「大吾コール」を浴び、再びこの場所に戻ってきた喜びに浸ってよかったはずが、目の前にいる比嘉は、まるで抜け殻だった。

 なぜモチベーションが上がらなかったのか?
 「みんなわかると思うのでノーコメントで」
 比嘉は苦笑いを浮かべたが、その前に、こんな話をしていた。

「今までと(練習環境が)180度違った。野木さんがいない。4、5年やっているので練習内容はわかっているが、自分でやるには限界がある。本来、さぼるのが好きなのでケツを叩かれないとできない、ということを思い知らされた。それ(練習不足)は(試合に)出ると思った。モチベーションが上がらず、試合をやる理由がわからないのに練習をしていた」
 比嘉は、プロ入り後、ずっとコンビを組んでいた野木丈司トレーナーの名前を出した。この日、後楽園に野木トレーナーの姿はあったが、すでにジムを離れ、セコンドにつくことはなかった。全幅の信頼を寄せる野木トレーナーと二人三脚で復活リングに臨めなかったことへの“わだかまり”が比嘉のモチベーションを削いでいるようだった。

 それでもリングに戻ってきたのには理由がある。

「自分のためにがんばろう、やりたいという意思はなかったが、2年間、離れないでいてくれたファンもいた。計量失敗しても見捨てない個人スポンサーもいた。最低限の恩返しをしたかった。そのひとたちのために勝ててよかった」
 
 具志堅会長も比嘉のリング上での衝撃発言に困惑していた。
「こういう(2年ぶりの勝利の)リングインタビューでは素直な気持ちでの挨拶が欲しかった。今後、比嘉大吾の精神的な面をどう立て直していくか。せっかくのチャンス、またチャンピオンになろうという新しいスタートですからね。こちらも(今後)できるだけ頑張りますが、階級を上げることは、そんなに甘くない。こっちがアドバイスすればいいが、ここまできたら、自分で立て直さないと」
 そして、唐突に先日、84歳で急逝されたプロ野球の名将、野村克也氏の話を持ち出した。
「野村さんは選手を強くさせるために指導した。ボクシング界も勉強していかないと。戦うよりも心を磨かないと」
 ID野球で知られる野村氏は、選手の人間形成に主眼を置いていた。ヤクルト時代の選手は、その教えを受け入れて日本一になった。具志堅会長は、そのノムさんとヤクルトの選手の関係を自らと比嘉の関係に重ねたのだろう。具志堅会長が同じ沖縄出身の比嘉をスカウトしてきた経緯があるだけに思い入れは強い。
「スポーツ選手というのは、素直な心があってこそ強くなれる。素直な気持ちになるのが大事。時間はかかります。それを少し本人にも伝えていきますが…」とも言ったが、今後は?の質問には「減量のこともあって時間をかけなくちゃいけない」と話を返した。

「2年ぶりだから、あんなもの。スピードは申し分ない。時間がたつとキレは出てくる。大振りをどれだけ抑えられるか。練習で磨いていけばいい。ただ、今後バンタムかどうかはわからない。筋力をつけていくか、技術も磨かねばならない。練習しかないんじゃないか」
 具志堅会長の話が終わるとスタッフが、「誤解がないような報道をお願いします」とメディアに異例の申し入れをした。比嘉とジムとの間にある、何かギクシャクしたものが見え隠れした。

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最終更新:2/14(金) 17:21
THE PAGE

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