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心不全「進行性で命縮める」 循環器医師が講演 後期高齢者では死因1位/兵庫・丹波市

2/14(金) 9:00配信

丹波新聞

 兵庫県立丹波医療センター内科(循環器)の河崎悟部長がこのほど、同県丹波市内で「丹波地域での心不全について」と題し講演した。河崎さんは、「心不全は進行性で、命を短くする病気だということを理解してもらうことがまず大事」とし、それを理解した上で、「悪い知らせでも患者さんに伝え、一緒に治療に取り組みたい。節制や服薬などを通じ、患者さんが自身の生活の質を支えられるようにしたい」と述べた。

 河崎さんは、2010年に赴任。自身が中心となり、休止していた循環器内科の24時間365日救急の受け入れを再開させるなど、医療提供体制の充実に取り組んできた。一方で、がんと比べ、心不全という病気への理解が患者の間で進んでおらず、一緒に治療に取り組むことの難しさに直面したことを打ち明けた。

 高齢化で心不全はさらに増えるとし、75歳以上の後期高齢者ではがんを逆転し、死因の1位が心不全と紹介。心不全は、がんと同じ進行性でありながら、病状が行き来する点が異なっているとし、「がんは、ステージが進むと戻らないが、心不全は治療をすると戻る。救命が難しいところまでいった患者さんが劇的に良くなって退院したり、突然急変したりする」と説明した。

 また、いったん心臓の機能が落ちると、元には戻らないが、「放っておくと悪くなる」と、治療に取り組む必要性を説き、治療が良くなったことで長生きができるようになっていることも紹介した。

 投薬のほか、▽血流が悪い人には血流を増やし心臓への血を増やす「カテーテルインターベンション」▽ペースメーカーの埋め込み▽心臓が悪くなると機能が落ちる肺を補い、心臓を助ける呼吸補助機器▽全身の血液供給を良くする心臓リハビリテーション―などの医療を提供しているとした。

 医療技術を尽くしても、心不全入院患者の43%が再入院症例との同県立柏原病院のデータと、再発入院の6割が塩分や水分の取り過ぎなど患者要因によるものとする学術論文のデータを示し、「患者自身が病気を知り、養生に努めることが不可欠」と説いた。

 病気への意識を高めてもらうために「進行性で、命を短くする」ことを伝え、生活改善に取り組んでもらうことが有用と考えたが、「患者にそういったことを言うのは好ましくない」との考えもあった。17年に日本循環器学会などが示したガイドラインに初めて「だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と記載されたことで患者にとっては厳しい事実を伝えられるようになり、長年の悩みが解消されたという。

 「患者さんの生活を置き去りにして治療はできない。心不全という病気をよく知って」と強調した。

最終更新:2/14(金) 9:00
丹波新聞

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