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浜松発車の「サンライズ瀬戸・出雲」次の駅は400km先の姫路? 時刻表に出ない運転停車

2/14(金) 16:01配信

乗りものニュース

行き違い、スイッチバック… 様々な理由がある運転停車

 関西でも、阪急電鉄の十三駅(大阪市淀川区)で運転停車が見られます。同駅が2019年3月、京都線の京都河原町方面行きホームに可動式ホーム柵を設置したところ、ほかの車両とドアの位置が異なる6300系電車の観光特急「京とれいん」は乗客の乗り降りができなくなったため、同駅を通過することになりました。ただし、先述の明大前駅と同じく、十三駅のすぐ北側にある踏切を正常に作動させるため、列車はいったん運転停車します。

 なお、運転停車するのは駅のホームに限ったことではありません。たとえば、単線区間を走る列車が反対方向から来る列車と行き違うため、停車駅ではない待避場所に停車するケースが挙げられます。また、山岳路線などで列車の進行方向を変えながらジグザグに進む「スイッチバック」運転でも、乗務員が反対方向の運転席に移動するため、簡易的な停車場などに運転停車します。

 さらに、電化区間から非電化区間へまたがって走る場合に、その境界となる駅などで、電気機関車からディーゼル機関車に付け替えるべく運転停車することもあります。

「ミス能生」まで出迎えた特急「白鳥」、しかし…

 ところで、運転停車といえば新潟県糸魚川市にある国鉄(現・えちごトキめき鉄道)の能生駅で、これにまつわる珍事が発生しています。

 かつて能生駅は国鉄北陸本線の駅で、停車するのは普通列車だけでした。ところが1961(昭和36)年のダイヤ改正で、北陸本線を経由して大阪~青森・上野間を結ぶ特急「白鳥」が運行されるようになったとき、能生駅に掲示された時刻表に、大阪行き上り「白鳥」の時刻が書かれていたのです。

 というのも、北陸本線のこの区間は当時単線で、多くの駅に行き違い設備がありました。上りの「白鳥」は能生駅で下り「白鳥」と行き違うため、運転停車するダイヤになっていたのです。運転停車ですから同駅は通過扱いとなり、時刻表に時刻が書かれることはありません。しかし、時刻表を作った部署の“勘違い”で、能生駅の時刻表に特急停車時刻が書かれてしまったのでした。

 これに驚いたのが、地元の人たちです。先述したように、これまで普通列車しか停車しなかった能生駅に特急が停車するというのですから、まさに一大事と騒ぎになります。一番列車を地元の人たちが浴衣で出迎え、急きょ選ばれた「ミス能生」が、「白鳥」の乗務員に花束を贈呈することになりました。

 そして迎えた運行初日。行き違いのため能生駅に停車した上り「白鳥」は、大勢の人々から熱烈な歓迎を受けます。乗務員はなんだかよく分からないまま花束を渡されましたが、その理由を知る由もありません。もちろん列車のドアは開くことなく、数分後に下り「白鳥」が通過すると上り「白鳥」も発車。後には、呆然とした地元の人々が残された……ということです。

 その後能生駅は、1982(昭和57)年に特急「北越」が停車するようになり、正真正銘の特急停車駅になりました。2003(平成15)年ごろには再び普通列車しか停車しない駅になったものの、現在も待避線がある駅構造になっていて、かつての雰囲気を感じ取れます。

伊原 薫(鉄道ライター)

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最終更新:2/15(土) 19:05
乗りものニュース

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