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「司法壟断」現職判事初の判決で3人全員無罪

2/14(金) 12:44配信

ハンギョレ新聞

ソン・チャンホ、チョ・ウィヨン、シン・グァンリョルに一審判決 捜査情報流出に「容認可能な範囲」 ヤン・スンテとイム・ジョンホンの裁判にも影響が及ぶ模様

 裁判官の不正疑惑を隠蔽するために検察捜査の情報を最高裁(大法院)の事務総局に流した容疑で起訴されたソン・チャンホ、チョ・ウィヨン、シン・グァンリョル部長判事が一審で無罪を宣告された。司法壟断疑惑に関わった現職判事に対する初の裁判所の判断だ。

 13日、ソウル中央地裁刑事23部(裁判長ユ・ヨングン)は、公務上秘密漏洩の容疑で起訴されたシン・グァンリョル部長判事とソン・チャンホ部長判事、チョ・ウィヨン部長判事の全員に無罪を宣告した。

 彼らは2016年の大規模な法曹不正事件である「チョン・ウンホ・ゲート」で裁判官不正疑惑が明らかになると、検察捜査を隠蔽・阻止するために捜査記録を事務総局に流出した容疑(公務上秘密漏洩)を受けている。検察は当時、イム・ジョンホン事務総局次長がソウル中央地裁のシン・グァンリョル刑事首席部長判事に「検察捜査の情報を報告せよ」と指示し、そのためソン・チャンホ、チョ・ウィヨン令状担当判事が令状裁判で手に入れた検察捜査記録などをシン判事経由でイム次長に渡したと見た。

 裁判所は、シン判事が事務総局に捜査情報を報告した行為は「司法行政上の必要と司法府の信頼確保の方策を用意するための裁判所の内部報告として容認できる範囲」であると判断した。特に裁判所は、流出した捜査情報が秘密として保護する価値がないとみなした。当時のソウル中央地検のイ・ウォンソク特殊1部長が、司法研修院の同期であるキム・ヒョンホ事務総局倫理監査官と40回以上電話で会話するなど、検察が自ら裁判所に裁判官の不正事項を伝えたという点が根拠となった。「捜査情報の価値の観点で、(シン判事がイム次長に報告したことと、ソウル中央地検が裁判所に知らせた内容には)本質的に差がない」とのことだ。裁判所はまた、事務総局がメディアの関心を検察に向かわせて検察総長を圧迫する案を講じたことも検察側に責任があると考えた。「検察がメディアを通じて元職・現職の裁判官に対する捜査情報を流すとの疑惑から始まった」行為との判断だ。

 ソン判事とチョ判事は事務総局の意図やシン判事の報告事実を知らなかったと見て、共謀関係自体が認められなかった。当時の令状裁判の処理手続きや結果も問題がないと見た。

 この日、ソン判事側の弁護人は「事実関係や法理が全て無理な起訴だったという点が一審で確認された」と語った。これに先立ち、ソン判事が去年、ドゥルキング・コメント操作事件に関わったキム・ギョンス慶尚南道知事に実刑を宣告してから1カ月ほど後に起訴された点について「大統領側近に実刑を宣告して政治的報復にあった」という主張が提起されたことがある。

 事務総局が裁判官の不正事実を把握しなければならないのは正しいが、機密性が要求される捜査の進行状況までそれに含めるのかに関して、法曹界の内外で疑問が提起されている。たとえ情報が流出せず、その結果検察捜査が妨害されなかったしても、裁判官に関する裁判記録を担当裁判所ではなく事務総局に共有した行為自体は正当化できないとの意見もある。検察が先に関連情報をメディアに流したことは、捜査機関への圧迫案を講じた裁判所の行為の免罪符にはならないとの批判も出ている。

 この日の判決は司法壟断疑惑で裁判を受けているイム・ジョンホン元次長とヤン・スンテ元最高裁長官(大法院長)の裁判にも影響を及ぼすものと見られる。シン判事が自発的にイム元次長に捜査情報を報告したのなら、職務上の権限を利用してシン判事に違法・不当な指示を下したというイム元次長の職権乱用容疑の成立が難しくなるからだ。

 ソウル中央地検は「捜査秘密を事務総局に漏らして事務総局が捜査拡大阻止案を施行し、捜査および裁判の機能に重大な危険を引き起こした事案だ。無罪宣告には納得できない」とし、控訴すると明らかにした。

コ・ハンソル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:2/14(金) 12:44
ハンギョレ新聞

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