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【萬物相】韓国の総選挙を心配する北朝鮮

2/15(土) 6:01配信

朝鮮日報日本語版

 2010年6月2日の韓国地方選挙を控えて北朝鮮が韓国の海軍哨戒艦「天安艦」を沈没させた。これに対する怒りが国民の安保心理を刺激し、当時与党だったハンナラ党に有利になるものと思われた。すると北朝鮮のメディアは一斉に「戦争勃発」という強い語調で「戦争挑発の策動勢力に鉄ついを下さなければならない」と報じた。野党だった民主党は、北朝鮮の戦争への威嚇を利用して「今回の選挙は戦争なのか平和なのかの選択」と訴えた。結果は民主党の圧勝だった。

 世界中で米国の政治について最も熱心に研究している国はもちろん米国だ。しかし、2位は北朝鮮という説がある。北朝鮮の立場からすると、米国政治を理解して予測することは死活問題と言えるだろう。トランプの弾劾に関する動向、米国の民主党大統領選候補を巡る駆け引きを北朝鮮ほど関心を持って見つめている国もないだろう。北朝鮮は、米国に関心を持つのと同じくらいに、韓国政治にも多大な関心を寄せている。韓国大統領選挙の方向性は、北朝鮮にも大きな影響を及ぼしている。北朝鮮を訪問した韓国の政治家たちは、北朝鮮の関係者たちが韓国の政治事情にあまりにも精通しているのを見て驚いたという。韓国の各種選挙を研究してきた北朝鮮は、韓国の有権者たちの集団心理もよく把握している。2010年の地方選挙の際は、韓国の有権者たちの「戦争に対する恐怖」を正確に読み取ったのだ。

 数日前、北朝鮮のメディアが「傲慢(ごうまん)になると審判される」といった見出しの記事を掲載し、民主党は今回の総選挙で教訓としなければならない、と主張した。同メディアは「民主党が安定した支持勢力を維持しているのは、第1野党の行動に対する反射利益に起因する」とした上で「万が一自己陶酔や陣営に埋没するようなことでもあれば、選挙は予測不可能な状況に陥るだろう」と入れ知恵した。また、他のメディアは「結局、安哲秀(アン・チョルス)という者の正体は比例自由韓国党」とも書いた。今すぐテレビの政治討論に出演できるくらいの知識量だ。

 北朝鮮メディアによる記事は、韓国の左派メディアに掲載された寄稿文を基に作成されているといわれているが、しっかり的を射ている。韓国選挙において傲慢になり自らを高める者は必ず敗北するようになっている。北朝鮮も、文在寅(ムン・ジェイン)政権と民主党があるいはこの道を行くのではないかと気が気でないのだ。

 北朝鮮は、文政権に向かって「恐れをなした犬」「ゆでた牛の頭に笑われる」「でくの坊」「慌てふためく者」といった単語でそそのかすが、選挙で民主党が敗れることを決して望んでいない。従って民主党に入れ知恵をする際は「正しい言葉に耳を傾けよ」と促す。長引く対北制裁で金正恩(キム・ジョンウン)の集団も、徐々に限界に達している。韓国政権に向け「選挙でのリスク管理を徹底せよ」と忠告するのを見ると、今回の総選挙を見つめる北朝鮮もイライラが抑えられない様子だ。

ハン・ヒョンウ論説委員

最終更新:2/15(土) 6:01
朝鮮日報日本語版

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