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地産地消と食品ロス解消を給食で実現した袋井市

2/14(金) 20:00配信

日本食糧新聞

文部科学省は令和元年度「学校給食・食育総合推進事業」事例発表会を 1月29日 に行い、第1部「社会的課題に対応するための学校給食の活用事例」のテーマで静岡県袋井市、奈良県、徳島県の教育委員会から、第2部「つながる食育推進事業」では長野県、三重県、山口県の教育委員会から発表が行われた。

市内産の野菜を優先して全量買い取りも

第1部の社会的課題には地産地消、食文化の継承、食品ロスの三つのテーマがあり、それぞれ地域の特性を生かした取組みを、第2部のつながる食育推進では児童生徒が将来にわたって食の自己決定能力、自己管理能力を身につけることを栄養教諭が中心になって学校や家庭そして地域をつなぐ事例が発表された。袋井市の取組みを紹介する。
袋井市は人口8万8000人で、若い世帯が多く人口が増えている。1993年に日本一健康文化都市宣言を行って、人も町も健康になることを掲げ、食から始まる健康づくりでは「野菜を食べよう」を目標に掲げて市をあげて健康づくりを展開している。
2008年には袋井市第1次食育推進計画で学校給食での地場産活用目標値を設定して「野菜いっぱい普及推進事業(野菜いっぱいマークの設定)」をスタートさせた。ハード面では、2012~13年にかけて地場産活用を推進するための施設整備・他の2センターのシンク増設・機器増設や袋井市立中部学校給食センターを2013年に開設した。
ライフステージを通じた食育推進基本計画を受け、袋井市全体として体制(ソフト)・施設機器(ハード)ともに整備し、学校給食における地場産活用を推進する準備を整えた。
しかし、袋井市の農産物はコメ・茶・メロンが3本柱で、学校給食で使う野菜はあまり作られていなかった。そこで、野菜類の年間使用品目と量を整理し、市内全域の農家を回って市場に出荷していない小規模農家には市内産を最優先して全量買い取りすることを周知して生産量を増加させた。こうした生産者とのコミュニケーションを密にすることで信頼関係を築いていった。
一方で、食に関する指導の年間計画では地場農産物活用を位置づけた。袋井北小学校は児童数1000人規模の大型小学校で、全校児童が野菜を育てることは難しく、農家に収穫体験に行くことで野菜を育てる苦労や工夫を聞いて収穫の喜びを体験することができるようになった。
収穫体験に行った翌日に給食に食材として出てくることで、生産者への尊敬の念や郷土愛が深まり、給食は完食されるようになった。
また、地元の食材を使った学校給食コンテストや地場農産物に関する動画配信などを通じて地域に発信することで連携が深まっている。
一連の活動で献立での1食当たりの野菜使用量は2013年の89.76gが2018年には105gに増えた。袋井市での地場産活用の経済的成果としては、主要10品目重量ベースでは13.8%から41.0%に増加し、使用金額では350万円から2571万円に増加した。

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最終更新:2/14(金) 20:00
日本食糧新聞

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