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元警部補「特定は今月」市民からは「遅すぎる」 広島中央署8572万円盗難

2/15(土) 9:09配信

毎日新聞

 広島中央署で詐欺事件の証拠品として金庫に保管されていた現金8572万円の盗難が発覚して約2年9カ月。広島県警は14日、内部犯行と結論づけ、同署の元警部補で既に死去した脇本譲容疑者(当時36歳)を窃盗容疑などで書類送検した。県警は記者会見で謝罪し、約2時間にわたって説明したが、容疑者が死亡しているため公判で立証されることはなく、県民からは「本当なのか」との疑念の声も上がった。【賀有勇、手呂内朱梨】

 記者会見には鈴木信弘本部長が出席。捜査に長期間を要したことも含めて「深くおわび申し上げます」と頭を下げた。

 質疑には川崎契刑事部長や岩上譲治首席監察官らが応じた。今回書類送検に踏み切った理由について、川崎部長は「犯行日時が特定できた」と胸を張った。2017年3月26日。脇本容疑者は同署での日曜日の勤務の主任を務めていた。その日の昼過ぎ、銀行で多額の金を自分名義の口座に入金していたことが裏付けられたという。

 盗難が発覚したのはゴールデンウイーク明けの同年5月8日。脇本容疑者はその週末の土曜日、県外の競馬場で4800万円分の馬券を購入し、すべて1万円札で支払ったとしている。

 県警によると、これらの「新事実」は、同署の署長ら7人を処分した19年4月段階では判明していなかったという。川崎部長は「資金の流れの解明に時間がかかり、元警部補以外に容疑者がいないと判断できたのが今月だった」と説明した。

 一方、県警は任意捜査であることなどを理由に脇本容疑者の名前を公表しなかった。

 容疑者が死亡しているため、事件の公判は開かれない。南区に住む無職の男性(78)は「鍵の管理方法に問題があった。亡くなった人が本当に容疑者なのか、証明する資料はあるのか」と疑いの目を向けた。安佐北区の70代の無職女性は「一般企業では、大金でなくても物が一つなくなったら大変。それなのに(捜査が)遅すぎる。身内でもみ消した部分があるのではと疑ってしまう。最後のとりでの警察なのに信用できない」と憤った。

最終更新:2/15(土) 20:44
毎日新聞

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