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夢の田舎暮らし最大の課題…現地で「職探し」の超厳しい現実

2/15(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 現役世代が、田舎暮らしを始めようとすると、まずネックになるのが仕事だ。「田舎にはいい職がない」と、そこで生まれ育った人が都会に大勢出て行くわけだから、そんな場所でいい仕事を見つけようというのはなかなか至難のワザだ。

 これまで医療や土木・建設業に従事していた人、料理人、美容師など都会でも田舎でも需要があるスキルを持っている人であれば、給与が都会と比べてどうかは別にして、職探しに不自由することはあまりないだろう。

 だが、これが事務系などいわゆる文系スキルの人だと、田舎で仕事を見つけようとすると困難を極める。

 地銀や「上場を目指す地方発のベンチャー」のような会社にヘッドハンターなどを通じて転職できる人はいいが、そうでないと、就職自体が大変だ。

 まずハローワークの求人に「事務職」と書かれていて、東京など大都市で経験があったとしても、筆者や多くの読者のように中年以降の男性が応募してもほとんどの場合、まず書類選考で落とされる。田舎の中小企業はなぜか事務は女性がやるものと決めつけている会社が多い。

 そして社内では〇〇高校何年卒、××高校何年卒でヒエラルキーが形成されていることが多く、その規格外の人は敬遠される。

 都会の会社で経営の合理化を進めるような最新のスキルを持っていたとしても、役立てる機会は少ない。

■エクセルを入力するために電卓を叩く

 田舎の会社ではパソコンを使いこなせない人も多い。筆者が目の当たりにして愕然としたのは、エクセルに数字を入力するために、必死で電卓を叩いている人。エクセル自体が優秀な計算の機能を持っているのに、単なる「マス目」のソフトであると思っているようだった。

 また地縁血縁で余計な人員をかかえている会社も多い。それも地域のしがらみの中のやむを得ない事情でそうなっていることも多いため、合理化・効率化なんてして欲しくないことも多い。

 そんな中で、都会の企業に勤めていた人は、田舎での就職がかなっても、大いにイライラとストレスがたまることだろう。

 一番いいのはSOHOのような形で、都会の会社を相手に仕事をすること。ただ、これは最初はうまくいっても、営業活動の面で都会で仕事をしている人よりハンディキャップがあるため、先細るケースが多い。これは筆者自身のライターとしての実体験でもある。

 田舎に移住した人で、高学歴で都会ではそれなりのポジションがあった人でも、例えば冬はスキー場、夏は宅配便のアルバイトなど、アルバイトの積み重ねで何とか生計を立てている人が少なからずいる。そのまま都会にいればと後悔している人も多いはずだ。きれいな風景と自然の中で暮らすことと引き換えに、人生を台無しにしたなんてことにならないためにも、田舎暮らしを考える際には、職の確保をまず優先して考えることが重要だ。 

(取材・文=中村知空)

最終更新:2/15(土) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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