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福岡市当初予算案 「高島カラー」存分に 景気次第で死角も

2/15(土) 7:55配信

産経新聞

 平成30年11月に3選された福岡市の高島宗一郎市長にとって、令和2年度の予算は3期目に入って2回目の予算編成となる。市幹部は「次を見据えると、市の先を見た手を思う存分打てるのは今回までだ。相当気合が入っている」と語る。

 「経済成長の果実を隅々にいきわたらせる。これまでも進めていたが、次のステージに向けて質を大きく上げていくイメージだ」

 14日、通算10回目の予算編成にあたり、高島氏はこう強調した。

 子育て支援策や高齢者、障害者対策など将来世代や社会的弱者を拡充した予算案の色合いは、元年度と変わらない。ただ、保育士の業務を支援する専門スタッフ配置に対する保育所への補助金などのメニューの新設でより踏み込んだといえる。

 また、常々周囲に「災害対策には強い関心がある」と語り、平成28年の熊本地震以降、相次ぐ九州での自然災害でも、先頭にたって被災地支援にあたってきた高島氏のカラーは、防災・減災施策に色濃く反映された。

 30年の北海道胆振(いぶり)東部地震時の大規模停電で再認識された災害時の電力確保策としては、避難所での活用を前提に電気自動車を導入するほか、市内の主要ポンプ場への非常用発電機配備を完了させてライフライン維持の備えを強めた。

 一連の財源は、高島氏が就任以来掲げる「都市の成長と生活の質の向上の好循環」との戦略が奏功し、生み出されたものだ。この日も「手応え、実感はある」と強調した。

 ただ、死角がないわけではない。4月に課税を始める宿泊税は海辺の魅力アップなど観光客を呼び込む事業などに充てるが、新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が市の観光振興策の逆風になりかねない。また、企業による旺盛な投資欲も景気動向によって左右される。好循環がストップすれば、一連の生活向上策は大きなコストとして、市財政にのしかかる。

 この点については、高島氏は「やみくもに給付を増やすのではなく、持続可能な視点も考えている。AI(人工知能)を活用した介護予防、重症化予防などその場限りではない視点を忘れないようにしている」と述べた。

 また、高島氏が市の中心市街地の天神、博多地区に続く第三極と位置付けるウオーターフロント(WF)地区(同市博多区)の再開発では、公共交通の整備構想が迷走し、「やる気があった事業者が引いている状況」(高島氏)だ。

 高島氏は、ロープウエーの導入構想を掲げたが、議会が否決して頓挫。現在は地下鉄なども含め議会で議論が進むが、再開発の行く末は「都市の成長」の伸びしろに影響しそうだ。

 高島氏は「ずっと立ち止まってはいられない。どういう規模でのWFを次世代に残したいのか、新年度の間に議論したい」と語った。(九州総局 中村雅和)

最終更新:2/15(土) 7:55
産経新聞

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