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政治家の品格を「風圧」で読み解く (1)「強風圧」の大物政治家たち

2/15(土) 11:01配信

本がすき。

「昭和の妖怪」岸信介、「人たらし」田中角栄、「たたき上げ」菅義偉、「壊し屋」小沢一郎…。永田町には、かつて政治アナリスト伊藤惇夫氏が「強風圧政治家」と呼ぶ政治家がたくさんいた。そして今は……?新刊『消えた「風圧」』から、「風圧政治家」の一部をピックアップ!

奇を隠し持つ昭和の妖怪 岸信介

第56,57代首相。弟は佐藤栄作、孫は安倍晋三。太平洋戦争後はA級戦犯として罪を拘留されるも無罪となる。と、これだけを読んでも、岸信介と名乗る政治家の妖怪ぶりは他の追随を許さない。正に威風堂々たる永田町の妖怪である。

『“妖怪”のにこやかな笑顔に見送られて、事務所を出てからしばらく歩いた時、ふと自分の左の拳が強く握られたまま固まっていて、自分の意思では開かないことに気づいた。』

と、岸信介を語る章は、なんとも意味深な、読み手にすらある種の怖さを共有させる言葉で始まる。
令和の御代では想像すら出来ない、「国体護持」の掛け声のもと日本がファシズムにも準えられる国粋思想にある中、彼はその中心に居た。およそ300万人の犠牲者(台湾、朝鮮籍の軍人・軍属・民間人を含む)を出し、国土を焦土を化した最中、岸信介と言う政治家は東条内閣の閣僚として日本の舵を取っていた。にもかかわらず、戦後も永田町に存在し、それのみか自らも首相を務めた後、実弟・佐藤栄作を首相とし、息子・安部晋太郎を外相、孫・安倍晋三を首相と、不死を思わせる黄金の系譜を貫いている。

『その中で、唯一、今もはっきり覚えているのが、「私はね、何度も死を覚悟したことがあるんだよ」という言葉だ。いい加減なハッタリでこれに類する言葉を口にする人は少なくないが、この時感じたのは、それが”正真正銘”だという思いだった。
一見「とても優しいお爺さん」なのに、この時、何とも言えない迫力を感じたことは、今も忘れない。岸の周辺からは常に、表現しがたいオーラのようなものが発せられている気がして、そのかたちの見えない「何か」に圧倒され続けるなか、30分ほどでインタビューは終わった。』

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最終更新:2/15(土) 11:01
本がすき。

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