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「夜中、突然不安になる」と言う新米ママ 実は「プチ更年期」症状…わがまま、メソメソの原因は?

2/15(土) 7:16配信

読売新聞(ヨミドクター)

常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

 私の診療所は都心の真ん中にある。オフィスだけでなく住宅も多く、子供も多い。夕暮れ時は、大人も子供も物悲しくなる。冬空なら、なおさらだ。

「実は私の方が具合悪いんです」

 Tさんは34歳。8か月の赤ちゃんK君のママだ。K君は午後からご機嫌が悪く、37.8度のお熱があり、夕方診察に訪れた。

 喉をみるために舌圧子を口に入れる。大泣きしたが、その後はすぐにけろっとして落ち着いた。「鼻水が少しあり喉も赤いけど、元気もあるし、胸の音も良いので心配ないですよ」と言っても、ママの顔は明るくならなかった。

 Tさんは、「実は私の方が具合悪いんです」と言い出した。最近、夜中に不安に襲われ、泣いて起きてしまうことが多く、眠れないこともあるという。「どこに相談していいのか、どうしていいのかわからない」と涙を浮かべた。

1人で子育てに奮闘し…

 聞いてみると、Tさん自身もワーキングマザーで忙しいが、ご主人はさらに多忙で出張が多く、親御さんは遠方にお住まいのため1人で子育てに奮闘しているらしい。

 まだコミュニケーションがしっかり取れない赤ちゃんと2人きり。夕暮れ時、ぐずってしまう子と一緒に、自分も泣きそうになる…そのような経験は、私にも覚えがあった。泣く娘を抱いて、よく電車を見せに行ったものだ。当時の私はよくわかっていなかったが、実はこの状態には、「産後の女性ホルモンの低下」が大きく関わっていたのだ。

 これは、多かれ少なかれ誰にも起こることだ。赤ちゃんがおなかにいる間、お母さんの中で多量のホルモンが作られる。特に妊娠後半は、胎盤と卵巣から作られる女性ホルモンの量は、平常時のなんと約100倍にもなる。出産を経ると、ホルモンは一気に低下する。女性のカラダってつくづく神秘的。

どうにもならない感情の起伏

 ホルモンが大変動した後の時期、つまり産後は、本人にもどうにもならない感情の起伏がある。周りには「わがまま」と見えることもあるが、温かく見守ってほしい。周囲の人が理解してくれることが、何よりの救いになる。新米ママは余裕がないが、しばらくすれば落ち着く。それまでは、「キリキリ」「メソメソ」にも目をつぶってあげよう。

 Tさんは、不眠・不安感に悩まされ、その上、じんましん・肌荒れ、胃痛にも悩まされていた。私はこの症状を「プチ更年期」と言って説明する。本当の更年期との違いは、産後しばらくすれば、元のホルモン状態に戻ることである。

 産後の脱毛や「産後うつ」について耳にしたことがある人も多いと思うが、意外にTさんのような「肌」や「おなか」のトラブルも多い。今まで経験したことのない肌の乾燥やぶつぶつ、じんましん、原因不明の胃の痛みといった症状だ。

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最終更新:2/15(土) 7:16
読売新聞(ヨミドクター)

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