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【ラグビー】野口竜司が示す無形の力。日本代表復帰への意欲は?

2/15(土) 11:47配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 今季の国内トップリーグで開幕4連勝中のパナソニックにあって、渋い光を放つのが24歳の野口竜司。グラウンド最後尾のFBで先発する。
 
 身長177センチ、体重83キロと決して大柄ではないが、空中戦で光る。高く蹴り上げられたボールの落下位置へ跳躍し、競り合う相手に膝や腕を差し込みながら球を確保する。

「捕らないと始まらない。まずはボールファースト」

 現代ラグビーでは、アンストラクチャーと呼ばれる互いの陣形の乱れた状況下で主導権を握れるかが見どころのひとつとなっている。そのアンストラクチャーの起点は、味方もしくは相手のキックの落下地点となりがち。その領域をスキルとタイミングで制するのが、野口の真骨頂だ。

 東海大仰星高、東海大時代から、戦術眼と技術研鑽への意欲に定評があった。キックを処理したのちの攻撃ラインでも、頭と体を動かす。

 まずショートサイドと呼ばれる狭いスペースで球を呼びながら、そちらへパスが来ないと見ればオープンサイドと呼ばれる広い区画へ大きく回り込む。

「常にチャンスを探す。チーム内の決まり事、戦術があるなか、(どこに立つべきかなどを)判断できるのがFB。その精度を上げていきたいと思います」

 2016年春に日本代表デビュー。翌年6月にはジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ率いる現体制下で正FBへの定着に迫った。とっさの判断や球をもらう際の基本技術といった、無形の力が評価された。

 しかし、2019年のワールドカップ日本大会には出場できなかった。大会開催年の候補合宿に呼ばれながら、選考から漏れた。

 大会登録メンバーのFBは、ウィリアム・トゥポウ、山中亮平といった他のポジションもこなせる大型戦士だった。野口は唇をかむ。

「(日本大会には)もちろん出たかったですけど、外されるというのは自分の実力が足りなかったということ。ボールを持った時の判断力、キャリア(突進)の強さは大事だなと思いました。すぐに倒れたり、相手にボールに絡まれたりするようなキャリアの仕方では、チームのやりたい攻撃をストップさせてしまうので、なくした方がいいのかなと。あとはファーストボールキャリア(攻撃ラインの先頭で接点から最初にパスをもらう役目)になってどうボールを動かすかのスキルも足りなかった。それは、(候補)合宿を通して感じました」

 突破力に長けた大型選手とは異なる強みを打ち出したいとする野口。日本代表復帰への意欲について聞かれれば、「フォーカスはパナソニック。まず優勝を狙ってやっていきたいです。パフォーマンスがよければ(代表に)呼んでもらえます」。足元を見失わない資質は、初めて日本代表に入る前から変わっていない。

(文:向 風見也)

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