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層薄くスターも不在 最大の危機かも/セルジオ越後

2/15(土) 7:44配信

日刊スポーツ

<特別編(中)>

ルヴァン杯が16日、Jリーグは21日に開幕し、新シーズンが本格化する。今年は東京オリンピック(五輪)もあり、日本サッカー界にとって重要な1年になる。セルジオ越後氏に日本代表や各選手、Jリーグなどについて、現時点での問題点や今後への期待を、3回連載で語ってもらった。

【写真】「さわやかサッカー教室」で指導するセルジオ越後氏

      ◇       ◇

Jリーグ創設期以降で、日本サッカーの最大の危機が現在かもしれない。「ドル箱」と呼ばれてきた日本代表の試合の視聴率は急下降。昨年11月の親善試合ベネズエラ戦は8・6%、同12月に東京五輪世代が同ジャマイカ代表に9-0と大勝した試合が5・6%だ。人気や注目度が下がり、プレッシャーが減れば、当然厳しさもなくなり、レベルも落ちていく。

スター不在だ。18年秋の森保ジャパン発足時は新鮮味があった。中島、堂安、南野が期待を抱かせた。今はどう? 中島はポルト、堂安はPSV、南野はリバプールとビッグクラブに昇格ながら、引き換えに出場機会は減った。これが日本選手、特に攻撃的選手のジレンマだ。選手は使われてこそ伸びるんだ。使われなければさびてしまう。マンチェスターU時の香川、ACミラン時の本田もそうだった。

だから、リーグやクラブのレベルを落としても出番を求めた吉田(サウサンプトン→サンプドリア)は偉いと思う。長友がインテルからガラタサライに移った時もそうだった。現在、レベルの高いクラブで出場し続けているのはマルセイユの酒井だけ。一方で、いつまで彼らに頼っているのか、頼らざるを得ないのか、層の薄さが嘆かわしい。

五輪だけでなくA代表でも期待される久保もマジョルカではプレー、数字とも物足りなく「不動のレギュラー」とはいえない。リーグ戦23試合のうち出場20試合(うち先発10試合)、1得点1アシスト。チームメートのブディミールという選手は22試合に先発してチーム最多得点(8得点)、久保にはそのくらいの結果を出して「エース」と呼ばれてほしかった。天下のRマドリードからのレンタルなのだから。ドリブルからチャンスはつくるけど、点の取りにくいアウトサイドからのシュートばかりで「ワンパターン」の印象だ。

リバプールでの南野はチームのリズムに1歩遅れている。南野が遅いのではなく、サラーやフィルミノら周囲が速くてうまいのだ。クロップ監督にはドルトムントで指導した香川のイメージもあって、南野を買っているのだろう。マネが負傷離脱している間に早く初ゴールを挙げてほしい。

久保は東京に残っていた方がよかったかもしれないな。昨季Jリーグを独走していた東京が秋以降に失速したのは、久保放出のせいとは思わないけど、仮に久保が残って優勝に導いていたら“独り勝ち”。スターになっていただろう。

今はA代表にエネルギーを感じない。ハリルホジッチ元監督ら過去の外国人監督は協会や選手によく文句を言った。森保監督はそうはできないのだろう。衝突が生むエネルギーもある。人気もレベルも落ちた時にこそ、「底」で活発な動きが求められる。(日刊スポーツ評論家)

最終更新:2/15(土) 7:55
日刊スポーツ

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