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科学者たちが西南極に「終末氷河観測所」を作る

2/16(日) 22:30配信

ギズモード・ジャパン

温暖化のループが止まらないどころか加速するばかり。もう南極を難局にタイポしても気づかなくなってしまいそう。

気候危機によって南極の氷がかつてない速さで溶けています。そして今回、科学者たちはさらに厄介なサインを見つけてしまいました。これまでに例のない温かい海水が、世界中の沿岸地域に暮らす何百万人もの運命を握る氷河の下に流れ込んでいるのだそうです。いうまでもなく、壊滅的な結果につながってしまうかもしれません。

氷点よりも高い温度の海水が終末氷河を下から溶かす

広大なスウェイツ氷河(Thwaites Glacier)は、西南極の氷床からアムンゼン海(Amundsen Sea)へと滑りおりて、海に張り出して浮かぶ形になります。この南極大陸で最も脆弱な氷河が崩落すれば、そこから連鎖的に崩落が起こって、海面が10フィート(約3メートル)上昇する可能性があります。この氷河が「終末氷河(doomsday glacier)」と呼ばれているのもうなずけますよね。研究者たちは数十年にわたってこの氷河が不安定になっているのを把握していましたが、最近の研究で氷河の下の特に重要な部分に温かい水が流れているのを初めて確認しました。

アメリカとイギリスから集まった100人からなる研究チームは昨年12月、スウェイツ氷河で初めてとなる大規模な調査に向かいました。氷河に散らばった各チームは氷河下部の撮影を行なうなど、それぞれがさまざまなタスクをこなしました。あるチームは、氷に海まで届く2,000フィート(約610メートル)の穴を開けて、そこから海水温と海洋乱流を計測できる装置を海に落とす作業を行ないました。その結果、海水が凍る温度を2度上回る0度を記録したそうです。

この警告ともとれる海水温の高さは、氷河が大陸から海に張り出すポイントで記録されました。スウェイツ氷河は、不運なことに氷の下の地形が海に向かって下り坂になっているので、張り出した氷の下に流れ込んだ海水によって氷が溶けやすくなってしまいます。おまけに海流が荒いため、海水(温かい)と氷河のとけた真水(冷たい)が混ざりあって温かくなった水が大陸側へと押し流されることによって、氷がさらに速くとけてしまいます。

調査を行なったニューヨーク大学の氷河学者であるDavid Hollandは、今回の結果についてプレスリリースで、「起こっているであろう止めようのない氷河の後退は、地球規模の海面上昇に多大な影響を与えることを意味します」と述べています。

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最終更新:2/16(日) 22:30
ギズモード・ジャパン

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